イスラエル軍予備役ら起訴、機密情報で2300万円賭け
イスラエル当局は、軍事機密を悪用し予測市場ポリマーケットで賭けを行ったとして予備役らを起訴した。イラン攻撃の時期を予測し利益を得た疑い。
イスラエル当局は12日、軍の機密情報を悪用して予測市場で賭けを行ったとして、予備役と民間人を起訴した。テルアビブ地区裁判所に起訴されたのは、イスラエル軍の予備役と民間人の2名だ。
両名は、分散型予測市場プラットフォームである「Polymarket(ポリマーケット)」を利用していた疑いが持たれている。検察側は、重大なセキュリティ違反や贈収賄、司法妨害の罪で起訴し、法的手続きが完了するまでの拘留を求めている。
捜査は国防省のセキュリティ部門、国内治安機関であるシンベト、およびイスラエル警察が合同で行った。
捜査の結果、国防当局内部の人物が機密情報を不正に利用し、賭けを行っていた疑いが浮上した。具体的には、2025年6月の紛争時におけるイランへの攻撃開始時期などが対象となっていた。
報道によると、特定のユーザーが軍事作戦に関して不自然なほど正確な予測を行っていたことが発覚の端緒となった。
「ricosuave666」と識別されるユーザーは、数万ドルを投じて約15万ドル(約2310万円)の利益を得たとされている。この高い的中率が、当局によるインサイダー取引の調査へとつながった。
予測市場の仕組みとセキュリティ上の懸念
ポリマーケットは、世界最大級の予測市場の一つであり、暗号資産(仮想通貨)を用いて将来の出来事に賭けることができる。
地政学的なイベントや軍事的なタイムラインに対して、数千万ドル規模の資金が投じられることも珍しくない。
多くの場合、賭けの資金にはステーブルコインが用いられる。クレジットカードや銀行振込でも利用可能な利便性の高さが、参加者の拡大を後押ししている。
しかし、今回の事件は予測市場が抱える脆弱性を浮き彫りにした。
内部情報を知る人物がその知識を金銭的利益に変えることが可能であることが示されたからだ。特に軍事作戦のような機密性の高い情報が、市場の動きを通じて外部に漏洩するリスクも懸念されている。
敵対的な勢力が予測市場の賭けのパターンを分析し、軍事行動を予知する可能性も指摘されている。そのため、国防当局における運用セキュリティのプロトコルや、規制による監視体制のあり方が問われている状況だ。
軍の対応と倫理的な問題
イスラエル国防軍は今回の事件について、作戦上の実害は生じていないと強調した。
しかし、軍の価値観とは相容れない「重大な倫理的欠如」であり、「越えてはならない一線」を越えた行為であると厳しく非難している。
軍は今後、同様の違反を防ぐため、全部隊で手続き上の安全対策を強化する方針を示した。
裁判所による報道規制の一部解除により、起訴内容の概要や捜査機関の情報は公開されたが、被告の身元や具体的な賭けの内容は伏せられている。
一部ではより広範なセキュリティ侵害を懸念する声もあったが、起訴状には国家の安全を害する意図があったとする内容は含まれていない。
今回の事件は、仮想通貨を用いた新たな金融サービスが、国家の安全保障とどのように関わるかという課題を提示している。
技術の進化に伴い、従来のセキュリティ対策だけでは対応しきれないリスクが出現しており、包括的な対策が求められている。また、DEX仮想通貨取引所と同様に、分散型市場への法規制も議論の的となっている。


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