仮想通貨VCの参加企業数が激減、2020年以来の低水準に
仮想通貨VCの参加企業数が2020年11月以来の低水準に。資金の集中化と業界の構造変化を解説する。
仮想通貨データサイトのクリプトランク(CryptoRank)は28日、7月の関連プロジェクトの資金調達ラウンドに参加したベンチャー企業数が150社にとどまったと発表した。
資金提供者の減少と市場の構造変化
クリプトランクの集計によると、7月の資金調達ラウンドに参加したベンチャー企業は150社だった。今回の数字は、2020年11月以来の低い水準となる。
2022年5月のピーク時には月間1,177社が参加しており、数年で市場環境が大きく変化したことがうかがえる。例えば、ビットコイン関連のプロジェクトであっても、資金調達のハードルは高まっている。
背景には、主要国における金利上昇などのマクロ経済要因がある。安全資産の利回りが向上したことで、リスクの高い暗号資産(仮想通貨)スタートアップへの資金流入が細っている。
また、米国や欧州連合(EU)における規制の不確実性によるコスト増加を懸念し、多くの企業が活動を縮小させた。一方で、人工知能(AI)とブロックチェーンを組み合わせたプロジェクトには依然として関心が寄せられている。
特に分散型金融(DeFi)分野への資金供給は、数四半期にわたって減少傾向が続いている。取引所の出来高低下に伴い、関連プロジェクトの収益見通しが立たなくなっている現状がある。
資金の出し手は審査基準を厳格化させており、初期段階のプロジェクトが資金を集めるのはかつてなく困難な状況だ。そのため、プレセールを通じて直接コミュニティから資金を募る手法が再評価されている。
業界再編と今後の展望
市場全体で参加者が減る一方で、資金の集中化が顕著になっている。
コインベースベンチャーズ(Coinbase Ventures)やアニモカブランズ(Animoca Brands)といった大手は、現在も積極的に活動を続けている。小規模な資金提供者が退出する中、少数の有力な組織が市場の大部分を占めるようになった。
また、初期段階のプロジェクトへの資金供給から、既存企業の合併・買収(M&A)へと資金の向かう先が変化している。
2026年第2四半期には、参加企業数が減少する一方で、M&Aの規模は約72億3,000万ドル(約1兆1,857億円)に達した。資金そのものが完全に枯渇しているわけではなく、より確実性の高い領域へ再配置されている。
ベンチャーキャピタル大手のドラゴンフライ(Dragonfly)のハシーブ・クレシマネージングパートナーは、業界の構造的な変化について言及した。
少数の巨大プラットフォームがユーザーや流動性を独占しつつあり、新規参入の余地が縮小しているという。仮想通貨業界は成熟期を迎えつつあり、新たな成長モデルの構築を迫られている。


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