イーサリアム財団、EVMで動く耐量子署名「SPHINCS-」を提案

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イーサリアムのロゴを耐量子技術の盾で守るイメージ

イーサリアム財団の研究者が、EVM上で効率的に動作する耐量子署名スキーム「SPHINCS-」を提案した。

イーサリアム財団の研究者ニコラス・コンシニー氏は12日、イーサリアム仮想マシン上で検証可能な新たな耐量子署名スキームを提案した。

EVM向けに最適化された耐量子技術

「SPHINCS-(スフィンクスマイナス)」と呼ばれるこの技術は、既存のイーサリアム(ETH)の仕組みを変更せずに導入できる。

米国立標準技術研究所が標準化した技術を基にしており、イーサリアム仮想マシン(EVM)で効率的に動作するよう設計されている。プロトコルレベルでの変更を必要としない点が、大きな特徴だ。

従来の技術では、処理にかかる手数料(ガス代)が高額になりすぎる課題があった。過去の実験ではブロックの処理上限を超える約3,000万ガスを消費し、実用化は困難とされていた。

大規模な改修を伴うハードフォークを避けるためにも、新しいアプローチが求められていた。この課題は、ソラナなどの他のブロックチェーンでも同様に議論されている。

今回の提案では、イーサリアム独自のハッシュ関数を採用することで、スマートコントラクトとして直接実行可能になった。パラメータの調整により、処理にかかるコストを約12万7,000ガスまで大幅に削減している。

署名サイズも約3,704バイトに抑えられ、ネットワークへの負荷を軽減しながら実用性を大きく向上させている。

将来の量子コンピューターの脅威に備える

イーサリアム財団は、将来的な量子コンピューターによる暗号解読のリスクに、早期から対応する方針を掲げている。

本格的な脅威が顕在化するのは2030年代と予測されているが、数億に上るアカウントの署名方式を移行するには長い年月を要する。そのため、今から段階的な準備を進める必要がある。

今回の提案は、1つの鍵あたりの署名回数を実用的な範囲に制限することで、処理の軽量化を実現した。

理論上の最大回数ではなく、一般的なウォレットやスマートコントラクトでの利用に十分な回数に絞り込んでいる。

これにより、暗号資産(仮想通貨)の安全性を保ちながら、現実的な運用が可能になる。また、ビットコインネットワークにおいても、将来的な量子耐性の議論が活発化している。

現在は実験的な研究段階にあり、今後はさらにコストを抑えた技術への発展が期待されている。将来的には、ユーザーがわずかな手数料で耐量子保護を受けられる環境の構築を目指している。

イーサリアムの長期的な安全性を確保するための重要な一歩となる。

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CryptoDnesライター・編集者。2021年頃からビットコインに触れ、イーサリアムやNFTへの投資を開始。自身のブログを運営しながら、暗号資産(仮想通貨)の知識を学ぶ。最新テクノロジーや仮想通貨の大手メディアで、記事を多数執筆。専門は仮想通貨、WEB3、NFTなど。
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