シグナム銀行、デビファイ提携|新たなビットコイン融資モデル誕生
シグナム銀行はデビファイと提携し、世界初の銀行主導型ビットコイン融資プラットフォーム「MultiSYG」を2026年上半期に始動する。
スイスのデジタル資産銀行グループであるシグナム銀行は24日、ビットコイン(BTC)融資スタートアップのデビファイと提携した。
この提携により、マルチシグネチャ方式を採用した世界初の銀行支援型ビットコイン融資プラットフォームMultiSYGを2026年上半期にローンチする予定だ。
MultiSYGでは、担保取引の安全性を高めるため、5人の鍵保有者のうち3者による承認を必要とする仕組みを導入。鍵保有者にはシグナム銀行、借り手、そして独立した署名者が含まれ、これにより分散化された資産管理と高い信頼性を両立している。
📣 News: Sygnum and @debificom Combine Bitcoin Multi-Sig Technology with Regulated Bank Lending Service
▪️ First bank globally to seamlessly combine Bitcoin-native multi-signature wallets with bank-grade lending services
▪️ Partnership with @debificom addresses growing… pic.twitter.com/QtHnotyM9R— Sygnum Bank (@sygnumofficial) October 24, 2025
過去の融資リスクから学んだ安全性重視の設計
従来のビットコイン担保融資では、金融機関が顧客資産の完全な管理権を握っていたため、ユーザーが自らの資産にアクセスできないケースが多発していた。
しかし、MultiSYGでは顧客が暗号学的証明と部分的な管理権を保持したまま、法定通貨へのアクセスを可能にしている。
この仕組みは、資産の安全性を確保しながらも流動性を提供するという、機関投資家の新たなニーズに応えるために設計された。
2025年には、ライオット・プラットフォームズがビットコイン準備金を担保に1億ドルの融資を確保し、コインベース・プライムもクリーンスパークに1億ドルの与信用枠を提供しており、市場ではビットコイン担保融資への関心が急速に高まっている。
一方で、過去の中央集権型融資モデルでは、顧客が担保資産を失う事例が相次ぎ、保管型モデルへの信頼が大きく揺らいだ。
その教訓を踏まえ、マルチシグネチャモデルは単一障害点のリスクを排除し、透明性と安全性を両立する新たなアプローチとして注目されている。
シグナム銀行のパスカル・エバール氏は、「借り手は価格設定や融資条件において銀行グレードのメリットを享受しつつ、マルチシグネチャ技術により資産の暗号学的証明と部分的な管理権を維持できる」と述べた。
同氏は、MultiSYGが市場の明確なニーズに応える画期的な金融インフラであると強調している。
規制された銀行サービスと自己管理原則の融合
MultiSYGは、従来の規制された銀行サービスと暗号資産特有のセルフカストディ原則を融合させた、革新的なビットコイン融資プラットフォームだ。
同プラットフォームは、融資ライフサイクル全体において借り手に担保資産のオンチェーン可視性を提供し、資産の存在や状態をリアルタイムで検証できる仕組みを採用している。
公式発表によれば、顧客は自分の鍵を保持したまま、規制下にある銀行サービスと機関投資家レベルのサポートを利用できる点が最大の特徴だ。
この設計思想は、資産の完全な移管を避けつつビットコイン市場へのエクスポージャーを求める機関投資家や富裕層に最適化されている。
MultiSYGは、すでにシグナム銀行が提供している信用・融資ポートフォリオを補完する存在であり、同社が10月に発表したビットコイン利回りファンドに続く戦略的な一手でもある。
これらの動きは、銀行レベルの信頼性とビットコインの分散型理念を両立させるという、シグナムの長期的なビジョンを体現している。
また、デビファイとの協業は、伝統的な金融機関が暗号資産ネイティブ企業と連携する新たなトレンドを象徴しており、規制されたアクセス、管理、透明性を実現する基盤を提供する。
特に、再担保化を防止する仕組みを設計段階で組み込んでおり、これは過去の融資モデルで発生した重大なリスクを回避する上で重要な要素となっている。
シグナム銀行とデビファイが目指すのは、「Not your keys, not your coins」という仮想通貨の基本理念を損なわずに、規制下での安全な運用を実現することだ。
このような商品は、仮想通貨投資を行う上でセキュリティを重視する投資家にとって魅力的な選択肢となる。
本サービスは2026年上半期に正式に開始予定で、シグナム銀行のすべての顧客が地域を問わず利用可能となる見込みだ。

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