エルサルバドル、量子脅威対策でビットコイン準備金を分散

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エルサルバドルの国旗と、複数のデジタルウォレットに分割される安全なビットコインの金庫を組み合わせた未来的なイメージ。

エルサルバドルは29日、国家備蓄のビットコインを量子コンピュータの脅威に備え14のウォレットに分散。購入実績にはIMFとの見解の相違も。

エルサルバドル国家ビットコイン(BTC)事務局は8月30日、保有する国家戦略ビットコイン準備金を複数のウォレットに分散した。これは、将来的なセキュリティ脅威への対策を強化する動きだ。

量子コンピュータの脅威に備え、準備金を分割

今回の措置は、将来的に量子コンピュータがもたらす可能性のあるセキュリティ上の脅威に対処することを目的としている。

同事務局は、これまで単一のアドレスで管理されていた6,284 BTC、約1,002億5,400万円相当の準備金を再分配した。具体的には、それぞれの上限を500 BTCとする14の未使用ウォレットアドレスに分けられたという。

暗号資産(仮想通貨)の取引では、送金時に公開鍵がブロックチェーン上に記録される。現在の暗号技術では安全性が保たれているが、将来的に強力な量子コンピュータが登場すれば、この公開鍵から秘密鍵が解読されるリスクが指摘されている。

準備金を1つのアドレスに集中させることは、攻撃者に対して格好の標的を与えかねないため、資産を分散することで万が一の侵害発生時にも被害を最小限に抑える狙いだ。

専門家の評価と購入実績を巡る謎

このセキュリティ対策は、業界の専門家からも評価されている。

Bitcoin Coreの貢献者であるアダム・バック氏は、量子コンピュータの脅威だけでなく、ソフトウェアの欠陥や人為的ミスといったリスクも軽減する「健全なビットコイン管理方法」だと述べた。

一方で、この対策はあくまで「リスクの軽減」であり、完全な量子耐性を保証するものではないとの指摘もある。

また、準備金の蓄積状況については情報が錯綜している。エルサルバドル政府は「毎日1 BTCを購入している」と主張し続けているが、国際通貨基金(IMF)の文書では2025年2月以降、新たな購入は行われていないとされている。

同事務局は、14のウォレットすべてを追跡できる公開ダッシュボードを通じて透明性を確保しているが、ビットコインの今後の動向と共に、実際の購入実績についても注目が集まることになりそうだ。

法定通貨に価値が連動するステーブルコインなど、他のデジタル資産の導入については、現時点では具体的な計画は示されていない。

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CryptoDnesニュースライター
CryptoDnes日本語版専属ニュースライター。国内外の暗号資産ニュース、プロジェクト解説、投資動向などを専門に執筆している。
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