バイナンス、金と銀のオプション取引開始|USDT決済可能
仮想通貨取引所大手のバイナンスは、金と銀を原資産とする新たなオプション取引サービスの提供を開始した。
暗号資産(仮想通貨)取引所大手のバイナンスは29日、金と銀を原資産とする新たなオプション取引サービスの提供を開始した。
伝統的金融資産へのアクセスを拡大
同社が新たに提供するのは、ステーブルコインのUSDT建てで決済される「コモディティオプション」だ。対象となるのは金と銀の2銘柄で、現物の受け渡しを伴わない現金決済方式を採用している。
満期日にのみ権利を行使できるヨーロピアンタイプとなっており、日次および週次の満期が設定されている。
この新サービスは、仮想通貨の取引環境から伝統的な金融市場へのアクセスを可能にする試みだ。ユーザーは使い慣れたウェブ画面やモバイルアプリを通じ、仮想通貨のオプション取引と同様の操作感で貴金属市場に参加できる。
同社はこれを、仮想通貨ネイティブな環境に伝統的市場をもたらす重要な一歩と位置づけている。
また、プラットフォーム内ではバイナンスコイン(BNB)を活用した特典も提供されている。
背景には、2026年1月に導入された金と銀の無期限先物取引に対する強い需要がある。報道によると、これらの先物取引は1日の取引高が数十億ドル規模に達しており、高い流動性を維持している。
この成功が、同じ原資産を用いたオプション取引の展開を後押しする形となった。
なお、取引時間は24時間365日稼働する仮想通貨市場とは異なる。伝統的な金属市場の営業時間に合わせ、米国東部時間の金曜夕方から日曜夕方までは休場となる。
毎日1時間の取引停止時間も設けられており、市場の慣習に沿った運用が行われる。
個人ユーザーの保護と市場の透明性
新しいオプション取引は、アブダビ・グローバル・マーケット(ADGM)の金融サービス規制当局から認可を受けた事業体を通じて提供される。
規制された環境下でサービスを展開することで、市場の透明性と信頼性の向上を図っている。価格の算出には、複数の独立したデータベンダーから取得した情報を加重平均する手法が採用された。
個人ユーザーの保護を重視した商品設計も大きな特徴だ。一般の利用者はオプションの買いのみが可能で、売り手になることはできない。
買い手の最大損失は支払ったオプション料に限定され、先物取引のような強制清算のリスクがない。
一方で、オプションの売りは厳しい審査を通過した機関投資家や指定マーケットメーカーに限定されている。彼らが流動性を提供することで、市場の安定性が保たれる。
このような役割分担は、個人利用者のリスクを抑えつつ健全な市場を育成するという、規制当局の期待に応えるものだ。
同社はサービスの開始に合わせて、期間限定の手数料割引キャンペーンを実施している。
メイカー手数料を無料とし、テイカー手数料を0.020%に設定した。競争力のある手数料体系を提示することで、初期の流動性確保と利用者の獲得を目指している。


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