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米製薬流通大手Wellgistics、XRPを決済・準備資産として導入

10.05.2025 10:38 1 分で読了 Hideaki Wakabayashi
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米製薬流通大手Wellgistics、XRPを決済・準備資産として導入

米Wellgisticsは、5,000万ドルの資金枠でXRPを決済と準備資産に活用。医薬品流通業界での決済効率化を目指す。

米国の製薬流通インフラ企業Wellgistics(ウェルジスティクス)は9日、暗号資産(仮想通貨)リップル(XRP)を決済および財務準備資産として導入すると発表した。

同社はフロリダ州を拠点とし、医薬品の流通やサプライチェーン技術を手がけている。今回の取り組みは、5,000万ドル(約72億5,000万円)のエクイティ・ライン・オブ・クレジット(ELOC)を活用して実施される。

XRP導入による決済効率とコスト削減

Wellgisticsは、これまで米国内医薬品業界で一般的だったACHやワイヤー送金など、遅く手数料も高い従来型決済手段の課題を指摘してきた。XRPの決済は3〜5秒で完了し、従来の1〜3営業日と比べて大幅なスピードアップを実現する。

また、国境を越えた支払いでもXRPのトランザクション手数料は1円未満とされ、外貨為替コストも大幅に削減できる見込みだ。これにより、グローバルな仕入先への支払いが容易になり、ネットワーク全体の流動性管理が改善されるという。

Wellgisticsは現在、全米6,000以上の独立薬局や150社超のメーカーと契約しており、XRP導入でリベートやクレジット供与、監査などの業務も効率化できると見込む。

オンチェーン運用と業界への波及効果

今回の資金枠はLDAキャピタルが手配しており、Wellgisticsは必要に応じて資金を引き出しつつ、将来的には株式発行で調達する仕組みを採用する。

XRPは財務諸表上の資産としても活用され、XRPレジャー(分散型台帳)を通じてすべての取引がオンチェーンで記録・追跡できる。この透明性は、監査や法令遵守の面でも強みとなる。

さらに、プログラマブル流動性によって、薬局パートナーへの「オンデマンド決済」や柔軟なクレジット供与が可能となり、サプライチェーン全体の資金繰りに新たな選択肢を提供する。

Wellgisticsはまず米国内オペレーションでXRP活用を始めるが、今後は為替リスクの低減を目的としたグローバル展開も視野に入れている。

今回の取り組みは、米国の製薬業界における本格導入の先駆けとなる可能性があり、リップルの今後の活用方法に注目が集まる。

医療分野で進む金融システムの近代化

新しい仮想通貨の即時決済やオンチェーン管理は、従来の銀行インフラでは実現困難だ。Wellgisticsはこれらの機能を活用し、仮想通貨投資の新たな可能性も模索している。

今後、類似の取り組みが医療セクター全体に波及し、より広範な金融システムの変革につながるかが注目される。

2021年に仮想通貨投資を始める。以降、同分野での専門的な知識を深めながら自身のブログ・ライターとしても活動。仮想通貨に関する深い理解を活かして複数のメディアで多くの記事を執筆。初心者に寄り添った簡潔な解説を得意とする。

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