ビットコイン急落、一時11万ドル割れ|マクロ逆風と金の台頭影響
ビットコイン(BTC)の価格は5日未明、一時的に11万ドルを割り込んだ。下落の背景には、複数のマクロ経済要因が複雑に絡んでいる。
ビットコインはマクロ逆風に晒され、方向感を喪失
米国の失業率上昇が示すように、労働市場は徐々に軟化している。それにもかかわらず、ビットコインは買い支えられず、下押し圧力が継続している。
背景には、インフレ再加速の兆しと、FRBによる9月17日の利下げ観測が交錯し、暗号資産(仮想通貨)市場全体が方向感を欠いていることがある。
トレーディング企業Mosaic Assetは、8月の雇用統計が大幅に上振れしない限り、利下げは既定路線と見ている。
ただし、インフレ敏感セクターの物価上昇は一時的な現象にとどまる可能性が高く、持続的な政策変更を促す決定打にはなり得ないと警告。
このような不透明なマクロ環境が、ビットコインのボラティリティを一段と高める結果となっている。
金は安全資産として再評価、BTCは相対的に出遅れ
一方で、金(ゴールド)は堅調なパフォーマンスを続けている。長期的なインフレ期待と財政赤字の拡大が、安全資産としての立場を改めて強化した形だ。
マーケット分析ニュースレターKobeissi Letterによれば、拡大する赤字支出に伴う米国債の供給過剰が市場に圧力をかけ、金がグローバルな安全資産として買われているという。
これに対し、ビットコインはこうしたリスク回避の流れに乗り遅れており、資産選好がリスクオフに傾く中で売り圧力に晒されている。
さらに、例年9月はレッドセプテンバーとして知られ、過去の平均ではビットコインは3.77%の下落を記録してきた。
ただし、2025年はビットコインETFへの資金流入や機関投資家の関与が広がりつつあり、この季節性パターンがやや緩和される可能性も出てきた。
それでも、地政学的リスクの高まりやマイナーによる売却圧力が重なれば、さらなる変動は避けられない。
現在、投資家は12万ドルの水準回復を注視しつつ、FRBの次の一手を見極める局面に立たされている。
【9月5日最新】ビットコイン(BTC)の今後の価格分析
ここからは、BTCの週足および日足チャートをもとに、現在の市場トレンドを検証し、ビットコインの今後の価格動向を予測する。
週足分析:長期トレンドの堅牢さと潜在的下落圧力
出典:TradingView BTC/USD 週足(2021年~現在まで)
ビットコインの週足チャートは、長期的な上昇基調の耐久性を強調するものだ。
2023年10月に20週移動平均線(MA)と100週MAのゴールデンクロスが形成されて以降、このパターンは崩壊せず、買い手の支配力が持続していることを示す。
現在も20週MAが100週MAを明確に上回る状態が続き、市場の底堅い構造を裏付ける。
価格は8月14日の史上最高値12万4533ドルから約10%程度の下落を記録し、11万ドル近辺で推移中だ。
この水準で20週MAからの反発が観測されており、維持できれば上昇軌道への回帰が期待される一方、突破失敗は10万ドル台への深い調整を引き起こすリスクを伴う。
日足分析:短期変動の激しさと市場心理の揺れ
出典:TradingView BTC/USD 日足(2025年1月~現在まで)
日足チャートでは、外部イベントやセンチメントの変化が価格に即座に反映されるダイナミズムが顕著だ。
2025年5月初頭に20日MAと100日MAのゴールデンクロスが発生し、短期的な勢いの強化を確認したものの、8月14日のピーク到達後に利食い売りが優勢となり、反転下落した。
現在、ビットコインの価格は100日MAを割り込み、20日MAが100日MAを下回るデッドクロス寸前の局面にあり、短期の下押しが強まっている。
相対力指数(RSI)は現在43前後を推移し、売られ過ぎゾーンに近づきつつ上向きの兆候を見せており、反発の可能性をほのめかすが、外部要因次第でさらなる下落余地を残す。
ビットコイン(BTC)相場の要点
- 週足の長期構造が安定を維持する中、20週MAのサポートが鍵となり、上昇再開の基盤を形成する可能性が高い。
- 日足ではRSIの売られ過ぎシグナルが反転を示唆するが、100日MA下抜けが短期調整を延長させるリスクを指摘。
- マクロ環境の利下げ期待がBTCを支える一方、地政学的要因やインフレ圧力が下落圧力を増幅させる恐れ。



必要な項目を入力して公開する