米下院は16日、GENIUS法と仮想通貨市場明確化法案の審議を進める手続きを可決。大統領の介入が影響し、週内の本採決へ道が開かれた。
米国下院は16日、2つの主要な暗号資産(仮想通貨)関連法案を最終採決に進めるための重要な手続き上の動議を可決した。
採決は215対211で、上院を通過済みのステーブルコイン規制法案のGENIUS法とデジタル資産市場明確化法案の審議を可能にするものだ。
この動きは、前日の手続き上の採決が失敗に終わった直後であり、大統領の介入と戦略的な法案交渉によって事態が好転した形である。
🇺🇸 BREAKING: House votes to advance GENIUS, CLARITY, and Anti-CBDC bills pic.twitter.com/VLeQSCbWPP
— Bitcoin Laws (@Bitcoin_Laws) July 16, 2025
可決に向けて前進した法案の一つであるGENIUS法は、決済用ステーブルコイン発行者に対する連邦レベルの枠組みを創設する。
この法案は、発行者に対して米ドルまたは流動性の高い資産による1対1の準備金裏付けを義務付け、準備金の構成を毎月公開することを求める。
また、発行額に応じて監督機関が異なり、100億ドルを超えると連邦規制の対象となる。
破産時にはステーブルコイン保有者が優先的な権利を持ち、証券としての分類から除外される点も特徴だ。
もう一方のデジタル資産市場明確化法案は、市場に対する米SECと商品先物取引委員会の共同管轄権を確立し、規制の境界線を明確にすることを目的としている。
さらに、FRBが個人に直接、中央銀行デジタル通貨(CBDC)を発行することを阻止する内容も含まれている。
この法案が対象とするデジタル資産には、ビットコイン(BTC)なども含まれるため、その影響は広範囲に及ぶと見られている。
今回の可決の背景には、ドナルド・トランプ大統領の個人的な働きかけがあった。
同氏は、15日の採決に反対した下院自由議員連盟のメンバー11人から直接支持を取り付け、流れを変えたとされている。
これを受け、共和党指導部は票を確保するため、反CBDC法案を市場明確化法案に統合するという戦略的な判断を下した。
この動きは超党派の支持を失うリスクを伴うが、可決には不可欠だった。
民主党議員は誰もこの手続き上の動議を支持しておらず、仮想通貨規制に対する根深い党派対立が浮き彫りになった。
今後の予定として、GENIUS法の最終採決は17日、市場明確化法案は週の後半に予定されている。
GENIUS法が下院で可決されれば、上院での追加審議は不要となり、週内にも大統領の署名を得ると報告されている。
一方、市場明確化法案は、下院を通過した後も上院での承認が必要となる。
この一連の動きは、下院が宣言したクリプトウィークの一環であり、米国の基本的な仮想通貨規制の確立を目指す重要な局面となっている。
このような規制整備は、投資家の保護を強化し、健全な仮想通貨投資の環境を促進することを目的としている。
米下院は17日、トークン分類、DeFi、CBDC発行禁止に関する3つの画期的な仮想通貨法案を可決した。米国初の包括的な規制枠組みが確立される見込みだ。
米下院共和党は15日、仮想通貨関連法案を国防歳出法案と一本化する動議に失敗した。党内保守派の反対が原因で、今後の法案審議に影響が出ている。
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