チェーンリンク(LINK)とPyth Networkは米商務省と提携し、GDPなどの経済データを初めてブロックチェーン上で直接提供する。
分散型オラクルネットワークのチェーンリンク(LINK)は28日、米国商務省と提携し、公式マクロ経済データをブロックチェーン上で提供することを明らかにした。
この取り組みには、同じくオラクルネットワークのPyth Network(PYTH)も参加。商務省の経済分析局が、実質GDPや個人消費支出価格指数、国内民間最終販売などの信頼性の高い経済指標を、月次または四半期ごとに分散型オラクルネットワークへ供給する。
チェーンリンクは、「米政府による主要経済データのオンチェーン提供は初の試み」として、この協業の歴史的意義を強調している。
We're excited to announce that Chainlink and the United States Department of Commerce (@CommerceGov) have worked together to bring U.S. government macroeconomic data onchain.https://t.co/qHIw8DyEgX
These new Chainlink Data Feeds securely deliver critical information around key…
— Chainlink (@chainlink) August 28, 2025
データはアービトラム(ARB)、アバランチ(AVAX)、ベース(Base)、イーサリアム(ETH)を含む10の主要なブロックチェーンエコシステムで利用可能になる予定だ。
これにより、DeFiや予測市場、資産管理の分野で新たなアプリケーション開発の道が開かれる。
チェーンリンクは公式リリースで、「米国政府のデータをオンチェーン化することで、革新的なユースケースが解放される」と述べた。具体例として、マクロ経済要因に基づくDeFiプロトコルのリスク管理や、自動取引戦略への経済動向の組み込みが挙げられている。
例えば、DeFiプロトコルがGDPやインフレ指標に応じて貸出金利を動的に調整することが可能になる。また、アルゴリズム取引システムがマクロ経済のトレンドを戦略に組み込むことも容易になるだろう。
Pythネットワークも、経済データの完全性は世界市場にとって不可欠だと強調。この発表を受け、暗号資産(仮想通貨)市場は強く反応し、LINKは5%以上、PYTHは約50%急騰した。
この提携は、2025年を通じて進展してきたチェーンリンクと米国の規制当局との関係拡大を象徴する動きだ。データフィードは標準化された形式で提供され、クロスチェーンアプリケーションを構築する開発者の利便性を高める。
政府公認の経済指標をブロックチェーンに直接取り込むことで、従来のデータ検証のハードルが解消。信頼性の低い可能性があった第三者のデータ集計者への依存も低減する。
業界アナリストは、この進展が現実世界の経済パフォーマンスに直接連動するブロックチェーン基盤の金融商品の実用性を大幅に高めると指摘。技術的な実装により、経済データは公式の完全性を保ったまま、スマートコントラクトで即座に利用可能となる。
これは、先に承認されたビットコインETFが示した、伝統的な金融とブロックチェーンの融合という大きな流れの一環とも言えるだろう。
さらに、この取り組みは将来の政府データとブロックチェーン基盤の統合に向けた前例を築くものだ。政府関係者は、この提携を米国がブロックチェーン革新の最前線に立つための戦略的な一手と見なしている。
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