シャープリンクが株式発行上限を60億ドルに拡大。調達資金の85%をETH購入に充て、仮想通貨ゲーム事業へ転換を加速させる。
米ゲームマーケティング企業SharpLink Gamingは17日、株式発行による資金調達枠を60億ドルに拡大すると明かした。
米証券取引委員会(SEC)への届出書補足書類で、追加50億ドルの株式売却を可能にする修正契約を明らかにした。
ミネソタ州に拠点を置く同社は、このほど世界最大のイーサリアム(ETH)企業保有者となっている。
7月18日時点で32万1000ETH超を保有し、現在価格で約11億ドルの価値に相当する。
同社は5月30日に当初の10億ドル調達計画を発表。
このうち既に7億2100万ドル分の株式を売却済みとなっている。
今回の修正により、追加50億ドルの株式発行が可能となった。
新たな資金調達はイーサリアム購入の原資となる見通し。
同社は6月初旬、イーサリアム開発企業のコンセンシスが主導する4億2500万ドルの私募増資を実施した。
この際、イーサリアム共同創設者のジョセフ・ルービン氏が取締役会長に就任している。
同社の株価は過去6カ月で528%の急騰を記録。
現在の時価総額は33億1000万ドルに達している。
投資家の間では、同社の積極的なアルトコイン戦略に対する関心が高まっている状況となっている。
SharpLink Gamingの戦略は、ビットコイン(BTC)購入で注目されたストラテジーのアプローチを踏襲したものとなっている。
ただし、同社はビットコインではなくイーサリアムを主軸とする点で差別化を図った。
同社は保有ETHの99.7%をステーキングプロトコルに配分し、6月2日の戦略開始以降415ETHの報酬を獲得している。
現在も約2億5700万ドルが未配分資金として残されており、追加購入に充当される予定となっている。
企業による暗号資産(仮想通貨)の財務戦略採用は新たなトレンドとして注目されている。
SharpLink Gamingの動向は他の上場企業にも影響を与える可能性がある。
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