仏半導体企業シークアンスは8日、ビットコイン財務戦略のため3億8400万ドルを調達。企業の仮想通貨採用の新たな動きとして注目される。
仏半導体企業シークアンス・コミュニケーションズは8日、ビットコイン財務戦略を立ち上げるため、3億8400万ドルの私募増資を完了した。
これは、1株あたり1.40ドルで1億3940万の米国預託株式(ADS)を売却したことによる1億9500万ドルの株式発行と、1億8900万ドルの有担保転換社債で構成される。
調達した資金は、ビットコイン(BTC)の購入に充てられる。
同社は、ビットコインが財務の強靭性と株主還元のための長期的な価値を生み出すと確信している。
シークアンスの動きは、インフレへのヘッジや価値の保存手段として、企業が準備資産をビットコインに多様化させるという最近のトレンドを反映している。
今回の資金調達には、Northland Capital MarketsやB. Riley Securitiesを含む40以上の機関投資家が参加した。
これは、規制に準拠した枠組みの中でビットコインを従来の金融戦略に統合することへの、機関投資家からの強い信頼を示すものだ。
企業の仮想通貨(暗号資産)採用が広がる中で、今回の事例は新たな一歩となる。
カストディと執行サービスは金融サービス企業Swan Bitcoinが担当し、米国の規制基準の遵守と安全な資産管理を徹底する。
公開企業にとって、このようなパートナーシップは戦略の透明性と安全性を確保する上で極めて重要だ。
安全な資産管理には、信頼できるビットコインウォレットの利用が不可欠だ。
今回発行された転換社債は、2028年7月7日を満期とし、4%のディスカウントで発行された。
転換価格はADSあたり2.10ドルに設定されている。
さらに、90日以内に行使可能な新株予約権も含まれており、これが完全に行使された場合、最大で5760万ドルの追加資金がもたらされると報告されている。
この資金も主にビットコインの購入に充てられる計画だ。
シークアンスは今後、事業活動から生じる余剰現金や将来的な資金調達からも、ビットコインの保有量を拡大していく方針を示している。
株式と負債を組み合わせた今回の資金調達は、市場の変動に対応しながら機動的な購入を可能にし、リスクと流動性のバランスを取る戦略といえる。
このような動きはアルトコイン市場にも影響を与える。
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