暗号資産(仮想通貨)企業のリップル社は30日、ステーブルコイン発行大手サークルに対し、40億ドルから50億ドル(約5,720億円~7,150億円)での買収を提案したものの、拒否されたことが明らかになった。
サークルは現在、2025年前半にニューヨーク証券取引所(NYSE)への上場を目指し、IPO(新規株式公開)準備を進めている段階にある。同社は今年4月にSECに「S-1」フォームを提出しており、ティッカーシンボル「CRCL」での上場を計画している。
今回の買収提案は、リップル(XRP)がステーブルコイン市場での影響力拡大を図る戦略の一環と見られる。リップルは昨年末に自社ステーブルコイン「RLUSD」をローンチしており、ステーブルコイン分野での事業拡大を急いでいる。
現在のステーブルコイン市場は、主にテザー社のUSDT(時価総額約1,440億ドル)とサークル社のUSCD(時価総額約602億ドル)によって支配されている状況だ。一方、リップルのRLUSDは現時点ではまだ規模が小さく、4月時点の時価総額は約2.9億ドル(約435億円)程度にとどまっている。
業界専門家の間では、リップルによるサークル買収が実現すれば、現在2強の構図となっているステーブルコイン市場に新たな競争環境が生まれる可能性があると指摘されている。
サークルはIPOに向けた準備を進める中、企業価値の評価を重視していると見られる。情報筋によると、同社の未公開株は現在、50億ドルから52億5000万ドル(約7,500億から7,875億円)の評価額で流通市場で取引されているという。
同社は2024年末時点で、ステーブルコイン事業から17億ドル(約2,550億円)の準備金収入を報告しており、これは総収入の99.1%を占めている。この堅調な業績を背景に、サークルはIPOを通じてリップルが提示した水準を超える評価額を目指しているものとみられる。
サークルの発行するUSDCの時価総額は現在600億ドル(約8兆5,800億円)を超えているのに対し、リップルのRLUSDの時価総額は3億ドル(約429億円)強にとどまっており、アルトコイン市場規模に大きな開きがある。
リップルは引き続きサークルへの関心を示しているものの、新たな提案を行うかどうかはまだ決定していないとされる。サークルはIPO前の「沈黙期間」にあり、市場の噂に関するコメントを控えているため、同社からの正式な見解は発表されていない。
新しい仮想通貨業界では、トランプ政権下での規制緩和を背景に、リップルやクラーケン、ジェミナイなどの企業がIPOを視野に入れた動きを強めている。業界関係者からは「サークルのIPOがどう進むかが鍵になる。うまくいけば、他の多数の企業も上場を検討するだろう」との見方も出ている。
ステーブルコイン市場は今後も拡大が見込まれており、シティグループの予測によれば、2030年までに最大3.7兆ドル(約500兆円)規模に成長する可能性があるとされている。このような市場環境の中、リップルとサークルの仮想通貨投資展開は業界全体に大きな影響を与える可能性がある。
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