ブラジルの暗号資産(仮想通貨)運用会社Hashdexは25日、世界初となるリップル(XRP)現物上場投資信託(ETF)「XRPH11」をブラジル証券取引所(B3)で取引開始した。
このETFはNasdaq XRP参照価格指数に連動する設計で、投資家に規制された金融商品を通じたXRPへのエクスポージャーを提供する。
ファンド資産の少なくとも95%は直接的または間接的にXRPに割り当てられ、安全かつ規制された環境で仮想通貨市場へのアクセスが可能となった。運用はGenial Investimentosが担当し、Genial Bank SAがカストディアンを務める。
今回のXRP現物ETF「XRPH11」の上場は仮想通貨投資における重要な進展である。XRPは現在時価総額で世界第4位のおすすめ仮想通貨とされ、特に国際送金処理に焦点を当てたデジタル資産として知られている。
米国など他の国では規制上の障壁が同様の商品承認を遅らせており、ブラジルがXRPの規制された投資手段を提供する先駆者となった形だ。
XRPH11は2月にブラジル証券取引委員会(CVM)の承認を受け、約2か月という短期間で正式ローンチに至った。
XRPH11は、Hashdexが展開する単一資産ETFシリーズの一部として位置づけられている。
同社はすでにビットコイン(BTC)、イーサリアム(ETH)、ソラナ(SOL)を対象としたETFをB3で提供しており、今回のXRP ETF追加で計9つの仮想通貨ETF商品となった。
XRPH11の純資産額は約4,000万ドル(約5億5,100万円)で取引を開始し、暗号資産投資に対する機関投資家の関心の高さを示している。
手数料構成は管理手数料が年0.7%、カストディ手数料が年0.1%と、グローバル基準に沿った競争力のある水準となっている。
Hashdexのサミール・カーバジ最高投資責任者(CIO)によると、このETFは特に機関投資家など洗練された投資家向けであり、B3プラットフォーム上で仮想通貨ポートフォリオを構築したい投資家を対象としている。
ブラジルでの成功は、米国におけるXRP ETF承認への圧力を高める可能性がある。現在グレースケールやビットワイズなど複数の資産運用会社が米国証券取引委員会(SEC)にXRP ETF申請を行っているが、まだ承認には至っていない。
米証券取引委員会(SEC)は13日、グレースケールとブラックロックが申請した仮想通貨ETFの審査を延期したと発表した。
暗号資産取引所コインベースが、主要株価指数S&P500に初めて採用されることが決まった。業界の伝統的金融市場への統合が進む。
米Wellgisticsは、5,000万ドルの資金枠でXRPを決済と準備資産に活用。医薬品流通業界での決済効率化を目指す。
トランプ前大統領が仮想通貨戦略備蓄案の投稿にリップル関係者の草稿を使用し、後に不快感を示した経緯が明らかになった。