ゴールドマン・サックスがブラックロックのビットコインETF、IBITの保有株を28%増やし、最大保有機関となった。
ゴールドマン・サックスは10日、ブラックロックが運用する現物ビットコイン(BTC)ETF「iシェアーズ・ビットコイン・トラスト(IBIT)」の保有株数を2025年第1四半期に28%増加させ、最大保有機関となった。
同社のIBIT保有株は3,080万株に達し、評価額は14億ドル(約2,030億円)となっている。これは前年末の2,400万株から大幅な増加であり、これまで最多保有だったブレバン・ハワード(2,550万株、約1,890億円相当)を上回った形だ。
IBITの運用資産残高(AUM)は2025年5月時点で447億ドル(約6兆4,815億円)を突破し、同種のETFの中で圧倒的な規模となっている。
さらに、ジェーン・ストリートやD.E.ショー、シンメトリー・インベストメンツなど他の大手機関もIBITへの投資を増やしており、伝統的な金融機関による暗号資産(仮想通貨)投資への関心と信頼が高まっていることがうかがえる。
ゴールドマン・サックスの仮想通貨ETF全体の保有額は2024年時点で20億5,000万ドル(約2,970億円)を超えており、IBIT保有分が約13億ドル(約1,885億円)、イーサリアム(ETH)関連ETFにも5億ドル(約725億円)を投資している。
IBITは2025年、20営業日連続で純流入が続き、期間中の流入総額は50億ドル(約7,250億円)を上回った。これは現物ビットコインETFとして過去最長の連続流入記録となる。
背景には、米連邦準備制度理事会(FRB)の金融政策の見通しや、ゴールドマン・サックス自身のインフレ見通しの修正(2024年のコアPCEインフレ率見通しを3.5%へ上方修正)がある。
これらマクロ経済要因に加え、ブラックロックと米証券取引委員会(SEC)によるビットコインETFのステーキングやトークン化推進に関する議論も、機関投資家の参入拡大を後押ししている。
ゴールドマン・サックスはIBITのほか、フィデリティの現物ビットコインETF(FBTC)にも2億5,000万ドル(約362億円)を投資するなど、ビットコインおよびイーサリアムETFへの分散投資も進めている。
ブラックロックとゴールドマン・サックスなど大手金融機関が暗号資産関連商品への投資を拡大する動きは、伝統金融とブロックチェーン技術の融合を示唆している。
今後もビットコインをはじめとする暗号資産に対する機関投資家の関心は高まり続けるとみられ、ETF市場の動向や規制当局の姿勢が、金融業界全体の方向性を左右する重要な要素となりそうだ。
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