投資銀行キャンターフィッツジェラルドが、20億ドル規模のBTC融資事業を展開。機関投資家向けに仮想通貨担保融資サービスを提供する。
ウォール街の老舗投資銀行キャンターフィッツジェラルドは27日、20億ドル(約2880億円)規模のビットコイン(BTC)融資事業で初取引を完了したと発表した。
同社は1945年創業の伝統的な投資銀行として、機関投資家向けにビットコインを担保とした融資サービス「ビットコインファイナンシング事業」を開始した。
この取り組みは、デジタル資産市場に「規模、構造、洗練性」をもたらすことを目的としている。
キャンターは初回取引として、暗号資産(仮想通貨)ネイティブ企業のメイプルファイナンス(Maple Finance)とファルコンX(FalconX)との融資契約を成立させた。
この取引により、同社は仮想通貨融資分野への本格的な参入を果たした。
融資サービスでは、ライセンスを持つカストディアンであるアンカレッジデジタル(Anchorage Digital)とコッパー(Copper.co)と提携し、顧客資産の安全な保管を実現している。
これにより、従来の仮想通貨融資セクターで懸念されていたセキュリティ問題に対処している。
メイプルファイナンスとファルコンXは、このパートナーシップについて、仮想通貨市場における信頼性の高い融資インフラの不足を解決し、伝統的な金融基準に合致したサービスを提供するものだと評価している。
キャンターのハワード・ルトニックCEOは、ビットコインをコモディティとして位置づけ、米国における仮想通貨規制の明確化を推進。同社は機関投資家による仮想通貨採用の支援者として自社を位置づけている。
また、同社は米国債市場のプライマリーディーラーとしての豊富な経験を活かし、セレシウスやジェネシスなど過去に破綻したスタートアップとは異なる、リスク管理に重点を置いた融資モデルを採用している。
なお、キャンターはテザー(Tether)の5%の株式を保有し、同社の米国債担保準備金の管理を行っており、仮想通貨管理における信頼性を高めている。
2025年5月には、キャンターエクイティパートナーズがトゥエンティワンキャピタルとの合併を通じて約4億5900万ドル(約660億円)相当のビットコインを取得し、仮想通貨ポートフォリオをさらに強化している。
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