ブラックロックのビットコインETFが設立約1年半で70万BTCを突破。クジラの需要が供給を上回り、市場構造に変化をもたらす。
資産運用会社ブラックロックが運用する現物ビットコインETFは8日、保有するビットコイン量が70万枚を突破した。
Glassnodeのデータによるもので、2024年1月のローンチからわずか1年半で達成した記録的な成長となる。
iシェアーズ・ビットコイン・トラスト(IBIT)の運用資産総額は760億ドルに達し、ブラックロックのS&P500やラッセル2000連動ETFを凌駕する規模に成長している。
IBITの保有量は700307BTCに達し、現在の価値で約755億ドルから760億ドルに相当する。
この規模は、主要な競合であるストラテジーやフィデリティのFBTC、グレイスケールのGBTCの保有量を大きく上回る。
現在、IBITは米国の現物ビットコインETFに保管されている全ビットコインの55%を占めている。
運用資産額が760億ドルに達するまでにかかった日数はわずか551日で、SPDRゴールド・シェアーズが700億ドルに到達するのに要した1600営業日以上という記録を大幅に更新した。
2024年初頭に米国でビットコイン現物ETFが承認されて以来、機関投資家からの需要が前例のない規模で拡大している。
これらのファンドは物理的なビットコイン(BTC)を購入する必要があるため、市場から直接吸収される形となる。
2025年半ばまでに、米国の12のビットコインETF全体への総流入額は500億ドルに達した。
2025年において、ETFとストラテジーによるビットコインの購入額は合計282億2000万ドルに上り、同期間のマイナーによる新規供給額78億5000万ドルをはるかに凌駕している。
IBITは現在、ブラックロックの1197ファンドの中で最も収益性の高い商品となっている。
この成功により、ブラックロックは旗艦商品であるS&P500ETFよりもIBITから多くの収益を得ていると報じられている。
これは、ビットコインが機関投資家の資産として定着しつつあることを示すものだ。
IBITの保有量は、サトシ・ナカモトが保有すると推定される110万BTCに迫る勢いである。
現在の月4万BTCのペースが続けば、IBITが2026年5月までに単一で最大のビットコイン保有者となる可能性も視野に入る。
アナリストは、ETF主導の需要が市場の力学に構造的な変化をもたらしていると指摘している。
仮想通貨プラットフォームBakktは、ビットコイン購入目的の7,500万ドルの公募増資を発表。株式希薄化懸念から株価は40%以上急落した。
ストラテジーがIPOで約25億ドルを調達し、2万1021BTCを追加購入。総保有量は62万8791枚になった。ビットコイン準備資産戦略を強化。
米SECは、トランプ・メディアが申請したTruth SocialビットコインETFの承認判断を延期。運用リスクなどを慎重に審査している。
オンチェーン分析企業CryptoQuantのCEOが、機関投資家の台頭でBTC市場構造が変化したとし、従来のサイクル理論の終焉を宣言した。