BMGLは5月16日、10億ドル規模のビットコイン取得に向けた独占交渉を開始し、アジア医療市場拡大を狙う戦略を明らかにした。
シンガポールを拠点とする医療プロバイダーのBasel Medical Group(BMGL)は16日、最大10億ドル(約1460億円)分のビットコイン(BTC)取得に向けた独占交渉を開始したと発表した。
株式交換方式での取得を計画し、2025年第2四半期中の成立を目指している。
今回の交渉は、BMGLがアジア医療市場の拡大を加速させる戦略の一環だ。株式交換による取得は現金流出を伴わず、同社の事業資金や運営資金への影響を抑えつつ、財務の柔軟性を高めるものとされている。
交渉の相手方は、複数の機関投資家や暗号資産(仮想通貨)分野のインフルエンサーで構成されており、ブロックチェーン業界との協業も視野に入れている。
BMGLは伝統的な医療企業として、初めてビットコインを企業の準備資産とする方針を示した。
ダレン・チョア最高経営責任者(CEO)は、仮想通貨の取得によって「アジア全域での医療施設やサービスの買収や拡充をより柔軟に進められる」と説明している。
アジアでは現代的な医療インフラの需要が拡大しており、BMGLは積極的な事業買収(M&A)を通じて市場シェアの拡大を狙っている。
ビットコイン取得の資金調達方法として選ばれた株式交換は、現金を温存できる一方で、既存株主の持ち株比率が希薄化する懸念もある。
発表直後、BMGLの株価は14~15%下落し、投資家の間には仮想通貨を流動性管理に用いる戦略や、ビットコインの価格変動リスクへの警戒感が広がっている。
仮想通貨投資の導入は、医療業界にとって新たな試みだが、アジア地域では規制環境が国ごとに異なることから、事業運営や財務管理面での不透明さも課題となる。
BMGLの計画は、規制当局の承認と最終条件の調整が前提となっており、今後の進展が注目される。
同社は、ビットコイン取得によって「アジア諸国の医療プロバイダーの中で最も強固なバランスシートを構築する」と強調している。
今後、新しい仮想通貨を財務戦略に組み込む動きが他の医療企業にも広がるかが、引き続き注目される。
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