米SECは、グレースケールの大型株ファンドETFの上場承認を一時停止し、再審査すると発表した。市場の不正操作への懸念が背景にある。
米SECは1日、グレースケール・デジタル・ラージキャップ・ファンド(GDLC)のETFへの転換承認を一時停止し、再審査することを明らかにした。
この決定は、米SECの取引市場部門がNYSEアーカで同ファンドの上場を承認したわずか1日後のことだ。
UPDATE: While @Grayscale was given an approval order for their conversion of $GDLC into an ETF yesterday. There was a letter attached to that approval that is putting a Stay on their ability to actually convert at this time. pic.twitter.com/AiEp5tLOou
— James Seyffart (@JSeyff) July 2, 2025
グレースケールのGDLCは、当初2018年に店頭市場で取引される信託として開始された。
同社はこれを現物ETFに転換するため、規制当局の承認を求めていた。
このファンドは、ビットコイン(BTC)やイーサリアム(ETH)など複数の主要な暗号資産(仮想通貨)で構成される指数に連動する。
米SECは1日、既存の規則に基づき、同ファンドのNYSEアーカへの上場を迅速に承認した。
しかし、その翌日に委員会は一転して承認を保留する命令を発令した。
この措置は、さらなる評価が必要であるとして、証券取引所法に基づき決定された。
今回の承認停止の背景には、仮想通貨の現物市場における市場操作や監視体制、投資家保護に関する根強い懸念が存在する。
これは過去にビットコインの現物ETF申請が何度も却下されてきた経緯とも関連している。
特に、ファンドに含まれるリップル(XRP)やカルダノ(ADA)といった、ビットコイン以外の資産に対する監視の目が厳しくなっている。
このファンドは、XRPとADAへのエクスポージャーを提供する初のETFとなる見込みだった。
しかし、今回の承認停止により、これらの資産へのアクセスは当面見送られることになり、GDLCは引き続き店頭取引商品としての地位にとどまる。
米SECによる相反する一連の動きは、仮想通貨市場における規制革新の促進と、投資家保護という責務との間で当局が直面する緊張関係を浮き彫りにしている。
この決定は、今後のイーサリアム関連の金融商品にも影響を与える。
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