Home » テザー、米規制に備え新ステーブルコイン開発計画を発表

テザー、米規制に備え新ステーブルコイン開発計画を発表

26.05.2025 11:11 1 分で読了 Mika Kuramoto
シェアする: シェアする
テザー、米規制に備え新ステーブルコイン開発計画を発表

テザー社は米仮想通貨規制法への対応として、ヘッジファンド向けのステーブルコイン開発を発表。USDTは新興国市場での金融包摂に注力。

ステーブルコイン大手のテザーは25日、米国の新たなステーブルコイン規制法に対応するため、海外市場重視の戦略を維持しながら、ヘッジファンド向けの準拠ステーブルコインを別途開発する計画を発表した

テザーのパオロ・アルドイーノ最高経営責任者(CEO)は、米国ステーブルコイン国家革新確立法(GENIUS法)が外国発行体に対する規制内容を注視しながら、優先的に海外市場での事業展開を継続すると表明。

同氏は既存のテザーコイン(USDT)が世界で銀行口座を持たない30億人にとって重要な役割を果たしていると強調している。

二段階戦略で市場区分

テザーは規制環境の変化に対応するため、二つの異なる戦略を採用する方針だ。

既存のUSDTは新興国市場での国際送金と金融包摂に特化し続ける一方、米国市場ではヘッジファンド向けに特別に設計された準拠ステーブルコインを2025年後半に導入予定としている。

アルドイーノCEOは、USDTの中核的な強みが国際送金と金融包摂にあると説明し、従来の銀行サービスを利用する顧客層を対象とした銀行発行ステーブルコインとは競合しないと述べた。

この市場区分により、テザーは規制要件を満たしながら既存の強みを維持する戦略を取っている。

透明性向上と市場地位の強化

テザーは透明性向上の取り組みとして、大手会計事務所との完全監査実施に向けて積極的に交渉を進めている。

現在は規制環境の不透明さが原因で遅延が生じているものの、BDOによる証明書を暫定的な透明性確保策として活用している。

アルドイーノCEOはまた、テザーが保有する米国債がドイツ、スペイン、オーストラリアの国家準備金を上回る規模に達していると明かし、ドル流動性の重要な管理者としての地位を強調した。

現在USDTの時価総額は1520億ドル(約21兆7360億円)に達し、分散型金融における主要ステーブルコインとしての地位を確固たるものにしている。

ステーブルコイン市場の競争が激化する中、テザーは暗号資産(仮想通貨)業界における独自のポジションを維持しながら、規制対応と市場拡大を両立させる戦略を推進している。

この動きはアルトコイン市場全体にとっても重要な示唆を与えるものと見られている。

CryptoDnesで専属ライターとして暗号資産領域の記事を執筆中。2020年に仮想通貨投資を開始し、ビットコインやNFT、DeFiなど多様な分野での投資経験を積む。2025年1月にCryptoDnesのチームに加わる。

Telegram

シェアする: シェアする
もっと 暗号資産規制 ニュース

ロビンフッド、米SECにRWAトークン取引のための規制案提出

フィンテック企業のロビンフッドは20日、現物資産(RWA)トークンの発行・取引を支援する連邦規制枠組み案を米SECに提出した。

21.05.2025 12:22 1 分で読了 Mika Kuramoto

米アリゾナ州、未請求仮想通貨活用の準備金設立法案を推進

アリゾナ州が未請求の仮想通貨やエアドロップ、ステーキング報酬を活用する準備金設立法案を推進。米国で先進事例となる可能性がある。

08.05.2025 14:12 1 分で読了 Mika Kuramoto

SEC新委員長就任控え、リップル含む72種のETFの行方に注目

米国証券取引委員会(SEC)は21日、新委員長の就任を控え、70件を超える暗号資産(仮想通貨)の上場投資信託(ETF)申請の審査に直面していることが明らかになった。 現在、米国内で取引可能な現物仮想通貨ETFは、ビットコ […]

22.04.2025 17:59 1 分で読了 Kasumi Kamiyama

SEC対リップル訴訟、控訴審理が一時停止|和解協議の進展か

米国控訴裁判所は16日、米国証券取引委員会(SEC)とリップル社間の訴訟における上訴審理の一時停止申請を承認した。 この決定により、リップル社とその暗号資産(仮想通貨)であるリップル(XRP)を巡る法廷闘争において、SE […]

17.04.2025 7:26 1 分で読了 Hideaki Wakabayashi
まだコメントはありません!

あなたのメールアドレスは公開されません。