暗号資産取引所コインベースが、主要株価指数S&P500に初めて採用されることが決まった。業界の伝統的金融市場への統合が進む。
米最大の暗号資産(仮想通貨)取引所CoinBase(コインベース)は12日、米主要株価指数S&P500の構成銘柄に採用されることが決まった。
同社は5月19日からS&P500に組み入れられる予定だ。今回の採用はキャピタル・ワン・ファイナンシャルによるディスカバー・ファイナンシャルの買収に伴うもので、コインベースがディスカバーの代わりとなる。仮想通貨企業としては、S&P500入りは初めてとなった。
コインベースの時価総額は約53,000億円(約7兆8,440億円)に達しており、S&P500の構成基準である時価総額2兆7,000億円(約205億ドル)や流動性・収益性要件も満たした。
S&P500の金融セクターに分類されることで、伝統的な金融市場での存在感が一段と高まる見通しだ。S&P500への採用は、暗号資産が金融インフラの一部として本格的に認められた象徴ともいえる。
発表後、コインベース株価は時間外取引で8%上昇し、市場では機関投資家の関心やおすすめ仮想通貨の主流化への期待感が高まった。
コインベースのS&P500入りは、米国政府の規制緩和や業界再編が背景にある。
最近では、仮想通貨擁護派の政権人事や証券取引委員会(SEC)による多くの訴訟取り下げが見られ、取引所による大型買収案件も相次いでいる。
コインベースはビットコイン(BTC)とイーサリアム(ETH)のオプション取引最大手デリビットの約4,292億円(約29億ドル)での買収を計画している。
業績面では、2025年第1四半期の売上高が前年同期比24%増となる一方、仮想通貨資産価値の評価減により純利益は94%減の約97億円(6,600万ドル)に落ち込んだ。
ただし、指数への組み入れはインデックス連動型ファンドによる自動的な買い需要を生むため、中長期的な株価や資金流入への追い風になる可能性もある。
コインベースのS&P500採用は、新しい仮想通貨業界が主流の金融市場とより深く結びつくことを示す1つの節目だ。
今後は機関投資家の参入拡大や、他の仮想通貨関連企業にも影響が及ぶことが期待されている。
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コインベースは5月8日、暗号資産デリバティブ大手デリビットを約4,205億円で買収すると発表。規制当局の承認取得が条件。