米上場ウィンドツリーが製薬事業からBNB中心の仮想通貨財務戦略へ転換。6000万ドル調達後、ナスダック初のBNB直接保有企業を目指す。
米ナスダック上場企業ウィンドツリー・セラピューティクスは16日、バイナンスコイン(BNB)を中心とした暗号資産(仮想通貨)による財務戦略に着手する方針を明らかにした。これに伴い、6000万ドルの投資契約も締結している。
この契約はビルド・アンド・ビルド社が主導するもので、取引が完了すれば、同社はBNBを直接保有する初のナスダック上場企業となる見込みだ。
今回の契約には、将来的に最大1億4000万ドルの追加引受オプションも含まれており、総額は2億ドルに達する可能性がある。
Subject to shareholder approval & the satisfaction of other closing conditions, $WINT will become the first NASDAQ-listed company offering direct exposure to the BNB token, the fifth-largest blockchain by market capitalization (over $95 billion). https://t.co/ncoR3W1Nh8 pic.twitter.com/iEB0oaQ9Qw
— Windtreetx (@windtreetx) July 16, 2025
ウィンドツリーはこれまで呼吸器疾患の治療薬開発に注力してきたが、今回の動きは同社にとって全面的な戦略転換を意味する。調達した資金は、BNBの取得、オスプレイBNBチェーントラストの株式購入、そして新しいデジタル資産戦略を実行するための現金準備金に充てられる。
この戦略には、資産の保管プロトコルの確立や利回り生成活動も含まれる。これにより、同社は従来のバイオテクノロジー企業から、規制に準拠した仮想通貨の投資ビークルへと姿を変えることを目指している。
この戦略転換の背景には、同社の厳しい経営状況がある。ウィンドツリーの時価総額は300万ドルまで落ち込み、株価はこの半年で93%も下落していた。流動比率も0.25と低く、急速なキャッシュバーンに直面しており、財務の安定化が急務だった。
一方で、BNBは時価総額で5番目に大きい仮想通貨でありながら、米国の投資家が規制された形でアクセスできる手段は限られている。
このような主要アルトコインへの投資機会は、市場で強く求められている。ウィンドツリーの新たな試みは、この未開拓の市場需要に応えるものだ。
オスプレイ・ファンズとの提携は、機関投資家に対し、コンプライアンスに準拠した投資構造を提供する。
この発表を受け、ウィンドツリーの株価は23%急騰し、市場からの期待感が示された。
今回の動きは、仮想通貨が単なる投機の対象だけでなく、企業の財務資産として制度的に採用される新たな潮流を示す事例となる可能性がある。また、企業が資産として保有する場合、仮想通貨税金の取り扱いも重要な課題となる。
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