アルトコインが多様化する中、ビットコインが依然優位な理由

ビットコインは供給上限と普及率で他のアルトコインより優位にあり、インフレヘッジとしての価値から賢明な選択肢と見なされている。

暗号資産（仮想通貨）市場が活況を呈す中、数ある選択肢の中でもビットコイン（BTC）が依然として注目を集めていることが16日、明らかになった。

トランプ米政権は仮想通貨への支援的な姿勢を示し、戦略的ビットコイン準備金と米国デジタル資産備蓄を設立する大統領令に2025年3月6日に署名するなど、業界への規制緩和を進めている。

こうした状況下でも、多くの専門家は基本的な要素に立ち返ることの重要性を指摘している。

多くの仮想通貨は投機的な側面が強いが、ビットコインは長年にわたる堅調なリターンを土台に、さらなる成長が見込まれている。

以下では、現在1000ドルを仮想通貨に充てる際に、ビットコインが賢明な選択肢であり続ける理由を解説する。

ビットコインとアルトコインを分ける供給と需要

どのような取引資産の価格も、最終的には需要と供給という市場の力学に行き着く。売りたい人と買いたい人のバランスが価格を決定する。

不動産が物理的な資産であり、株式が企業の収益性に裏打ちされているのとは対照的に、仮想通貨は本質的な価値の裏付けが少ないデジタル資産である。

そのため仮想通貨の価格は変動しやすく、長期的な価格動向は需要と供給のバランスを左右する要因に依存する。

最初の仮想通貨であるビットコインが長年にわたり成功を収めてきたのは、この原則をうまく満たしてきたからだ。

デジタルゴールドとしての価値とアルトコインの課題

ビットコイン以外の仮想通貨、いわゆるアルトコインを検討する際には、その目的とトークノミクスを慎重に吟味する必要がある。

アルトコインの中には、実用性をほとんど意図せずに作られたミームコインも多く、その価格は人気に大きく依存する。

ビットコインは特定の資産や事業を代表するものではないが、社会はインフレに対抗する資産としての価値を認めている。

この目的がビットコインへの高い関心を呼び起こし、他の仮想通貨との重要な差別化要因となっている。いわばデジタルの金と考えることができるだろう。

一方で、法定通貨など特定の資産と価値を連動させることで価格の安定を図るステーブルコインも存在し、決済手段やリスクヘッジとして利用される場面が増えている。

このように、ビットコインはその価値保存機能で確固たる地位を築いているが、その潜在能力をさらに引き出す動きも活発化している。

ビットコインの新たな成長段階、Bitcoin Hyper

価値の保存だけでなく、日常的な決済やアプリケーションでの利用可能性を高める技術開発が、次の成長段階への鍵と見なされている。

その代表格が、ビットコイン初の専用レイヤー2ソリューションとして開発されたBitcoin Hyper（HYPER）である。

ホワイトペーパーによると、ビットコインの堅牢なセキュリティを維持しつつ取引速度の遅さや手数料の高さといった課題を解決し、DeFiやゲーム、NFTといった分野での活用を可能にすることを目指している。

ゼロ知識証明などの先進技術を活用したこの取り組みは既に市場の注目を集めており、プレセールでは開始から約1カ月で300万ドルの資金調達を達成した。

ビットコインの基盤上で新たなエコシステムを構築するBitcoin Hyperの動向は、今後の市場拡大の鍵を握る可能性があり、投資家の関心を集めている。

Bitcoin Hyperの公式サイトを見る

上園絵理香

ブロックチェーンと仮想通貨の動向を深く掘り下げ、初心者にも分かりやすい解説を心がける専門ライター。国内外の市場分析、技術トレンド、規制動向に関する記事を多数執筆。元大手金融機関のアナリストとして培った知識と経験を活かし、信頼性の高い情報を提供。