米Wellgisticsは、5,000万ドルの資金枠でXRPを決済と準備資産に活用。医薬品流通業界での決済効率化を目指す。
米国の製薬流通インフラ企業Wellgistics(ウェルジスティクス)は9日、暗号資産(仮想通貨)リップル(XRP)を決済および財務準備資産として導入すると発表した。
同社はフロリダ州を拠点とし、医薬品の流通やサプライチェーン技術を手がけている。今回の取り組みは、5,000万ドル(約72億5,000万円)のエクイティ・ライン・オブ・クレジット(ELOC)を活用して実施される。
Wellgisticsは、これまで米国内医薬品業界で一般的だったACHやワイヤー送金など、遅く手数料も高い従来型決済手段の課題を指摘してきた。XRPの決済は3〜5秒で完了し、従来の1〜3営業日と比べて大幅なスピードアップを実現する。
また、国境を越えた支払いでもXRPのトランザクション手数料は1円未満とされ、外貨為替コストも大幅に削減できる見込みだ。これにより、グローバルな仕入先への支払いが容易になり、ネットワーク全体の流動性管理が改善されるという。
Wellgisticsは現在、全米6,000以上の独立薬局や150社超のメーカーと契約しており、XRP導入でリベートやクレジット供与、監査などの業務も効率化できると見込む。
今回の資金枠はLDAキャピタルが手配しており、Wellgisticsは必要に応じて資金を引き出しつつ、将来的には株式発行で調達する仕組みを採用する。
XRPは財務諸表上の資産としても活用され、XRPレジャー(分散型台帳)を通じてすべての取引がオンチェーンで記録・追跡できる。この透明性は、監査や法令遵守の面でも強みとなる。
さらに、プログラマブル流動性によって、薬局パートナーへの「オンデマンド決済」や柔軟なクレジット供与が可能となり、サプライチェーン全体の資金繰りに新たな選択肢を提供する。
Wellgisticsはまず米国内オペレーションでXRP活用を始めるが、今後は為替リスクの低減を目的としたグローバル展開も視野に入れている。
今回の取り組みは、米国の製薬業界における本格導入の先駆けとなる可能性があり、リップルの今後の活用方法に注目が集まる。
新しい仮想通貨の即時決済やオンチェーン管理は、従来の銀行インフラでは実現困難だ。Wellgisticsはこれらの機能を活用し、仮想通貨投資の新たな可能性も模索している。
今後、類似の取り組みが医療セクター全体に波及し、より広範な金融システムの変革につながるかが注目される。
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