ナスダック上場ビボパワー、XRP中心戦略で174億円調達へ

ビボパワーがXRP中心戦略で121億円の資金調達を実施。サウジ王子が100億円を投資し、XRP特化型上場企業の先駆けを目指す。

ナスダック上場のエネルギー企業ビボパワー・インターナショナル（VVPR）は28日、リップル（XRP）を中心とした戦略実行に向けて、1億2100万ドル（約174億円）の資金調達を完了した。

今回の資金調達はサウジアラビアのアブドゥルアジズ・ビン・トゥルキ・アル・サウド王子が主導し、1億ドル（約144億円）を投資。調達資金は1株6.05ドルで2000万株の私募増資により実施され、発表後に株価は26%急騰している。

サウジ王子が主導する大型投資

アル・サウド王子はEleventh Holding Company（イレブンス・ホールディング・カンパニー）の会長で、「我々は10年間暗号資産（仮想通貨）分野の投資家であり、XRPの長期保有者だ」と述べている。

同王子は複数の上場企業による新しい仮想通貨戦略を検討した結果、XRPに特化したビボパワーを選択した。

調達資金は主にリップルの取得、既存債務の削減、XRPレジャー（XRPL）基盤のインフラ開発に充当される予定だ。時価総額第4位のXRPの国際送金における実用性や分散型金融（DeFi）ツールとしての活用に着目している。

元Rリップル取締役で元SBI Ripple Asiaの最高経営責任者を務めたアダム・トレイドマン氏が、新しいアドバイザリーボードの議長として参加することも発表された。

ビットコイン以外の戦略で差別化

ビボパワーの戦略は、ビットコイン（BTC）に特化したストラテジーの成功モデルを参考にしているが、XRPを中核資産とする点で独自性を打ち出している。

同社のケビン・チン会長は「アル・サウド王子のような投資家との連携により、XRP中心の上場企業の規模拡大を目指す」と述べている。

2025年第3四半期までに、電気自動車メーカーのテンボやデジタルマイニング事業のケア・デジタルなど、中核事業以外の資産売却を計画している。

株主承認を得るための株主総会は6月18日頃に開催予定で、承認後に取引が完了する予定だ。戦略転換により、XRPを中心とした仮想通貨企業モデルの確立が期待されている。

Hideaki Wakabayashi

2021年に仮想通貨投資を始める。以降、同分野での専門的な知識を深めながら自身のブログ・ライターとしても活動。仮想通貨に関する深い理解を活かして複数のメディアで多くの記事を執筆。初心者に寄り添った簡潔な解説を得意とする。