米下院は17日、トークン分類、DeFi、CBDC発行禁止に関する3つの画期的な仮想通貨法案を可決した。米国初の包括的な規制枠組みが確立される見込みだ。
米下院は17日、暗号資産(仮想通貨)に関する3つの画期的な法案を可決した。
これらの法案は、米国史上最も包括的なデジタル資産の規制枠組みを形成するものと見られている。
中でもGENIUS法は、トランプ大統領が18日にホワイトハウスで署名する予定で、連邦レベルで成立する初の主要な仮想通貨法となる見込みだ。
今回可決されたのは、「GENIUS法」「CLARITY法」「反CBDC法」の3つである。それぞれの法案は、仮想通貨業界が直面する異なる課題に対応することを目的としている。
GENIUS法(証券利用における本質的な中立性と完全性の確保に関する法律)は、トークンの分類や取引所の運営に関する規制の明確化を目指す。これにより、どのトークンが証券にあたるかという長年の論争に一定の指針が示される。
CLARITY法(米国の合法的なトークンイノベーションと利回りに関する明確化法)は、分散型金融(DeFi)プロトコルとステーブルコインの監督に焦点を当てる。DeFi市場の成長に伴い、利用者保護と金融安定の観点から規制の必要性が高まっていた。
反CBDC法は、連邦準備制度理事会(FRB)が議会の承認なしに中央銀行デジタル通貨(CBDC)を発行することを禁止するものだ。この法案は、政府による取引監視につながりかねないプログラム可能な機能を明示的に禁じている。
今回の法案可決は、複数の要因が重なって実現した。仮想通貨企業による規制の明確化を求める持続的なロビー活動が大きな推進力となった。特に、すでに包括的な規制を持つ欧州連合(EU)やシンガポールなどと世界的に競争するための環境整備が急がれていた。
また、ブロックチェーン技術がもたらす経済的機会や、金融イノベーションを支持する有権者の動向を背景に、異例ともいえる超党派の合意が形成された。
選挙サイクルの中で、両党が仮想通貨業界の献金者や技術に明るい有権者層にアピールしたことも、審議を加速させたとみられる。
トランプ政権が経済政策の一環として仮想通貨規制を公に優先事項として掲げ、直接的な支持を与えたことも大きな後押しとなった。法案可決の報を受け、市場は即座に反応した。
ビットコイン(BTC)の価格は6.7%急騰し、コインベースやクラーケンといった仮想通貨取引所の株価は52週間の最高値を更新した。
今後、CLARITY法と反CBDC法は上院での審議に進む。GENIUS法は、証券取引委員会(SEC)と商品先物取引委員会(CFTC)に対し、180日以内にトークン分類に関する共同規則を策定するよう義務付けている。
これらの法案は既存の州の規制に優先するが、ニューヨーク州のビットライセンスのような現行のライセンス制度は維持される。
米下院は16日、GENIUS法と仮想通貨市場明確化法案の審議を進める手続きを可決。大統領の介入が影響し、週内の本採決へ道が開かれた。
米下院共和党は15日、仮想通貨関連法案を国防歳出法案と一本化する動議に失敗した。党内保守派の反対が原因で、今後の法案審議に影響が出ている。
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