トランプ米大統領は18日、米国初の包括的なステーブルコイン規制関連のGENIUS法に署名。消費者保護とイノベーションを目的とする。
ドナルド・トランプ米大統領は18日、米国初となる包括的なステーブルコイン規制枠組みを整備するGENIUS法に署名した。
この法律は、米ドルなどの安定資産に価値が連動する決済用ステーブルコインに対し、統一された連邦と州の規制枠組みを確立するものだ。
✅ GENIUS ACT SIGNED INTO LAW
"The GENIUS Act creates a clear and simple regulatory framework to establish & unleash the immense promise of dollar-backed stablecoins. This could be perhaps the GREATEST revolution in financial technology since the birth of the internet itself." pic.twitter.com/CH5pnznAuf
— The White House (@WhiteHouse) July 18, 2025
主な目的は、消費者保護の強化、米ドルの国際的な優位性の維持、そして業界のイノベーション促進だ。
これにより、米国がデジタル資産分野で世界をリードする地位を固めることを目指している。
この法律には、ステーブルコイン発行者に対する厳格な規則が含まれている。
発行者は、米ドルや短期国債といった流動性の高い資産で100%の準備金を維持しなければならない。
また、透明性を確保するため、準備金の構成を毎月、公に開示することが義務付けられる。
消費者保護の観点からは、連邦政府による保証や支援を受けているかのような虚偽の主張をマーケティングで行うことが厳しく禁止された。
さらに、発行者が破産した場合、ステーブルコインの保有者は他の債権者よりも優先して資産を回収できる権利が与えられる。
この法律は、より厳格な連邦単独の規制を提案していたSTABLE Actのような他の法案に取って代わり、連邦と州の連携を重視するアプローチを採用した。
法案成立の背景には、複数の要因が絡み合っている。
かつて暗号資産(仮想通貨)に批判的だったトランプ米大統領は、仮想通貨に友好的な指導者へと立場を転換した。
同氏は、中国との経済競争を挙げ、業界の成長を政治的な支持につなげようとしている。
トランプ政権は、投資を誘致し、米国の技術的優位性を確固たるものにするため、この法律を優先事項と位置づけた。
トランプ氏はもし我々に仮想通貨がなければ、中国が持つことになるだろうと述べ、中国の影響力に対抗する手段としてこの法律を明確に位置づけている。
業界側も長年にわたり規制の不確実性に悩まされており、標準化された監督体制を求めていた。
この法律は、詐欺行為を抑制しつつ、決済手段などでのステーブルコインの主流利用を可能にするものだ。
法律の支持者らは、この規制がイノベーションと投資を促進し、ステーブルコインがデジタル金融の基盤となる可能性を秘めているとみている。
このような規制の明確化は、個人や機関投資家が安心して仮想通貨投資を行うための環境整備にもつながると期待されている。
なお、無許可でのステーブルコイン発行の禁止は、関連機関が細則を整備する期間を考慮し、2026年11月から施行される予定だ。
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