Tetherがビットコインマイニング用OSをオープンソース化。小規模マイナーの参入を促し、マイニングの分散化とネットワークの回復力向上を目指す。
ステーブルコイン発行大手のテザー(Tether)は9日、ビットコインマイニング用のオペレーティングシステムをオープンソース化すると発表した。
この動きは、暗号資産(仮想通貨)のマイニング業界における参入障壁を引き下げ、より多くの参加者を呼び込むことを目的としている。特に、小規模なマイナーや新規参入者が直面する技術的、経済的な課題を緩和する狙いだ。
Tether will work towards open-sourcing its Bitcoin Mining OS (MOS).
A horde of new Bitcoin mining companies will be able to enter the game and compete to keep the network safe.
No need anymore of any 3rd party hosted software.
MOS will create an even playing field reducing the…— Paolo Ardoino 🤖 (@paoloardoino) June 9, 2025
Tetherが公開したマイニングOSは、これまで特定の知識や高価なソフトウェアを必要としたマイニング作業を、より手軽に始められるように設計されている。同社は、このオープンソース化が業界の透明性を高め、健全な競争を促進するとみている。
従来、ビットコイン(BTC)のマイニングは、大規模な資本を持つ公開企業や、先行して市場に参入した事業者が優位な立場にあった。これらの企業は、独自の高性能なソフトウェアや運用ノウハウを駆使し、高い収益性を確保してきた。
しかし、Tetherの取り組みは、こうした情報の非対称性を解消し、個人や小規模なチームでも効率的なマイニングが可能になる環境を整えるものだ。
これにより、マイニング報酬が一部の事業者に集中する現状を是正し、業界全体の分散化が進む可能性がある。Tetherのこの戦略は、より広範な暗号資産(仮想通貨)市場全体の健全な発展にも寄与するものと期待される。
マイニングの分散化は、ビットコインネットワーク全体の安全性と回復力を高める上で極めて重要である。特定の国や企業にマイニング能力(ハッシュレート)が集中すると、ネットワークが外部からの攻撃や規制の影響を受けやすくなる。
参加者が地理的にも組織的にも多様化することで、単一障害点(SPOF)のリスクが低減する。結果として、ビットコインネットワークはより堅牢で、検閲耐性の高いシステムとして機能する。
Tetherの今回の発表は、単なる技術提供にとどまらない。ビットコインエコシステムの根幹を支えるマイニング活動の持続可能性と、非中央集権という理念を守るための戦略的な一手と位置づけられる。
このオープンソースOSが広く普及すれば、マイニング業界の勢力図に変化が生まれるかもしれない。今後、他の大手企業が同様の動きに追随するかどうかが注目される。
このような動きは、ビットコインだけでなく、多様なアルトコインのマイニングエコシステムにも影響を与える可能性があるため、投資家は動向を注視する必要があるだろう。
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