宇宙開発企業スペースXが3年ぶりに1億5300万ドル相当のビットコインを送金。同社の財務戦略や今後の動向に注目が集まる。
イーロン・マスク氏が率いる宇宙開発企業SpaceXは22日、1308枚のビットコイン(BTC)を新しいウォレットアドレスに送金した。
同社によるオンチェーン活動は2022年6月以来3年ぶりとなる。
ブロックチェーン分析企業Arkham Intelligenceによると、16の古いウォレットから資金を統合しSegWit対応の新しいアドレスに移動させるものとなった。
SpaceXは現在も6977ビットコインを保有しており、現在の相場で8億1500万ドルの価値に相当する。
今回の送金では、SpaceXが複数の古いPay-to-Public-Key-Hashアドレスから、Pay-to-Witness-Public-Key-Hashウォレットに資金を統合した。
この技術的な移行により、取引手数料の削減やウォレット管理の効率化が図られたとみられる。
実際に今回の送金で支払われた手数料は0.00024831BTCのみとなり、1億5300万ドル相当の資産を移動させるコストとしては極めて低く抑えられた。
事前には0.000248BTCのテスト送金がCoinbase Primeに対して実行されており、安全性を確認した上での大規模移動だった。
SpaceXの動きは、ビットコインが7月14日に史上最高値の12万2979ドルを記録した直後のタイミングとなった。
マスク氏が経営するテスラと合わせて、両社は約20億ドル相当のビットコインを保有。
約3万2000ドルの平均取得価格から計算すると、含み益は約15億ドルに達している。
受信先のウォレットではこれまでのところ資金の移動は確認されておらず、売却ではなく内部的な資産管理の再編成である可能性が高い。
一方で、トランプ政権によるSpaceXの政府契約見直しや、マスク氏とトランプ大統領の公的な対立といった政治的背景も市場関係者の注目を集めている。
SpaceXは2016年以降、毎年10億ドル以上の政府契約や補助金を受けており、これらの政治的な動向が今後の暗号資産(仮想通貨)投資戦略に影響を与える可能性もある。
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