米証券取引委員会が29日、仮想通貨取引所バイナンスと創設者CZに対する民事訴訟の取り下げ動議を提出。
米証券取引委員会(SEC)は29日、仮想通貨取引所大手のバイナンス(Binance)と同社創設者のチャンポン・ジャオ氏(CZ)に対する民事訴訟の取り下げ動議を裁判所に提出した。
SECは2023年に、バイナンスが米国での事業登録を怠り、顧客資産を不適切に取り扱ったとして証券法違反で提訴していた。
バイナンスとジャオ氏は2023年11月に関連する刑事告発について有罪を認め、43億ドル(約6235億円)の和解金を支払っていたが、SECの民事訴訟は別途継続されていた。
SECの訴訟取り下げは、トランプ政権下での暗号資産(仮想通貨)規制方針の大幅な転換を反映している。SECは3カ月前から仮想通貨関連の複数の訴訟を一時停止し、ヘスター・パース委員が率いる新たな仮想通貨執行タスクフォースに規制枠組みの見直しを委ねていた。
今回の動議では、訴訟を「偏見を持って」取り下げることで、SECが同じ件で再提訴することを禁じている。両当事者は相互免責に合意し、今回の訴訟に関連する請求を互いに行わないことでも合意した。
バイナンスは和解後、米国顧客向けの資産分離や管理体制強化など、要求された改善措置を実施してきた。これらの協力的な対応が、SECの訴訟継続よりも規制明確化を優先する判断につながったとみられる。
バイナンスは今回の決定を革新への勝利として歓迎し、ソーシャルメディアで「米国の革新は軌道に戻った。これは始まりに過ぎない」と表明した。
SECの動議提出と同日の29日、米国の議員らはSECと商品先物取引委員会(CFTC)のデジタル資産監督における役割を明確化する法案を提出した。
これは「執行による規制」から体系的な規制枠組みへの移行を目指す広販な取り組みの一環とされている。
今回の訴訟取り下げは、仮想通貨業界にとって規制の不確実性解消に向けた重要な前進として受け止められている。
業界関係者は、明確な規制ルールの確立により、米国での仮想通貨事業の健全な発展が促進されることを期待している。この規制整備は、例えばビットコイン(BTC)のような主要通貨の信頼性を高める。さらに、成長が期待されるアルトコイン市場にも好影響を与えるだろう。
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