米国上院は9日、ドナルド・トランプ大統領が指名したポール・アトキンス氏を証券取引委員会(SEC)の新委員長として52対44の賛成多数で承認した。
アトキンス氏は就任にあたり、暗号資産(仮想通貨)に対する規制の枠組み構築を「最優先事項」とする方針を表明した。同氏のアドバイザリー企業はこれまで、仮想通貨取引所やDeFi(分散型金融)プラットフォームを含むクライアントにサービスを提供してきた実績がある。
この人事は、特に仮想通貨やデジタル資産セクターにとって重要な意味を持つとされている。アトキンス氏は2002年から2008年までSEC委員を務めた経験があり、その間、規制負担の軽減と金融イノベーションの促進を支持してきた。
上院銀行委員会では党派に沿った投票結果でアトキンス氏の指名が進められ、規制問題に関する政治的分断が浮き彫りになった。アトキンス氏は、デジタル資産に対してより厳しい監視を行ってきたゲイリー・ゲンスラー前委員長の後任となる。
アトキンス氏の就任は、トランプ政権による金融市場の規制緩和とデジタル資産にとってより友好的な環境を促進する取り組みの一環と見られている。共和党はアトキンス氏を、資本形成を促進しデジタル資産に明確性を提供できる人物として支持した。
一方、民主党は2008年の金融危機時の規制姿勢などを理由に、彼の指名に反対していた。アトキンス氏のアドバイザリー企業であるパトマク・グローバル・パートナーズは、仮想通貨 投資関連企業やDeFiプラットフォームと協力した経験があり、これが同氏のデジタル資産セクターとの利害関係をさらに強化している。
アトキンス委員長の下でSECは、より規制緩和的なアプローチを取ると予想され、米国の資本市場、投資家保護、そして全体的な規制環境に影響を与える可能性がある。特に仮想通貨業界にとっては、より明確な規制の枠組みが提供されることへの期待が高まっている。これにより、ビットコインなどの主要通貨だけでなく、アルトコイン市場の健全な発展も促進されることが期待されている。
金融庁は25日、仮想通貨の規制を資金決済法から金融商品取引法へ移行する審議を開始。ビットコインETFや税制改革の可能性。
タイ政府は、デジタル資産ハブを目指し、2025年から5年間、SEC認可取引所での仮想通貨売却益に対する個人所得税を免除すると発表した。
ベトナム国会はデジタル資産を初めて法的に認める「デジタル技術産業法」を可決した。同法は2026年1月1日に施行される。
EU仮想通貨規制MiCAの下、ジェミニとコインベースがライセンス申請。マルタの迅速な承認が規制の不均衡を生むとの懸念も浮上している。