英国のOptalysysが、完全準同型暗号(FHE)専用ハードウェア「LightLocker」を発表。ブロックチェーンのプライバシーとセキュリティを向上させる。
英国の光学コンピューティング企業Optalysysは16日、完全準同型暗号(FHE)専用のハードウェア「LightLocker Node」を発表した。
このシステムは、ブロックチェーン上での取引に特化した初のFHE専用ハードウェアである。
FHEは、暗号化されたデータを復号することなく直接処理できる画期的な技術であり、既存のブロックチェーンが抱えるプライバシーとセキュリティの課題解決が期待される。
ブロックチェーンは透明性の高さが特徴だが、取引の機密性維持には課題があった。
LightLockerはFHEを用いることで、ユーザーのプライバシーを保護しながらデータの完全性を保つ。
生データを公開せずに計算を実行できるため、特に企業によるブロックチェーン導入の障壁を下げるとみられている。
この技術は、機密性の高いスマートコントラクトや暗号化された取引処理、企業向けのプライベートブロックチェーンなどへの応用が見込まれている。このような技術革新は、暗号資産(仮想通貨)全体の信頼性を高める上で重要な一歩となるだろう。
従来のFHE実装は、GPUを利用していたが処理速度が遅く、実用化は困難だった。Optalysysは、光で計算を行うシリコンフォトニクス技術を採用している。
この技術は、暗号化や復号のサイクルを大幅に高速化し、FHEの性能的なボトルネックを解消する。
専用設計により、汎用的なコンピューティングと比較して運用コストの削減も可能になる。
同社は、2025年6月30日からカンヌで開催される「EthCC」でLightLockerのデモンストレーションを予定している。このカンファレンスは、イーサリアム(ETH)コミュニティにとって最大の年次イベントの一つだ。
また、FHE技術の普及を目指し、トレーニングや市場洞察を提供する「Innovation Lab」も開設した。FHE技術が広く採用されれば、仮想通貨取引所以外でもよりセキュアな取引が可能になるかもしれない。
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