マスターカードは28日、グローバルなステーブルコイン決済システムの導入を発表した。
このシステムは、ウォレットの有効化から、カード発行、加盟店での決済、そしてブロックチェーン上での送金機能まで包括的に提供するものだ。
同社はこれにより、ステーブルコインを用いた取引が従来の決済手段と同様に円滑に行える環境整備を目指している。
マスターカードは暗号資産(仮想通貨)取引所のOKXや決済企業のNuvei(ヌベイ)などと提携した。この提携を通じて、利用者がステーブルコインを世界1億5000万以上の加盟店で利用できるカードを発行する計画だ。
「OKXカード」と名付けられたこの新サービスは、おすすめの仮想通貨ウォレットと日常の支出を直接結びつけるもので、利用者は取引に応じた報酬も得られる。マスターカードのジョーン・ランバート最高製品責任者は「ブロックチェーンとデジタル資産の主流ユースケースにおける利点は明らかだ」と述べている。
ステーブルコインに関する規制の明確化が進んでいることが、今回の動きを後押ししている。かつては主に取引目的で利用されていたステーブルコインが、決済手段としての重要性を増している。
ステーブルコインは、価格変動の大きいことで知られるビットコイン(BTC)などとは異なり、法定通貨などに価値を連動させることで価格の安定を図っている点が特徴だ。
マスターカードが2023年に立ち上げたマルチトークンネットワーク(MTN)のような技術も、リアルタイムでのステーブルコイン決済や清算を可能にし、普及の鍵となっている。さらに、同社はCircle(サークル)やPaxos(パクソス)といった企業とも協力し、加盟店がステーブルコインを直接受け取れる仕組みの構築を進めている。
今回のマスターカードの取り組みは、伝統的な金融システムがステーブルコインのようなデジタル通貨を取り込む金融イノベーションの潮流を反映している。
この動きは伝統的な金融とデジタル資産の世界の溝を埋めるもので、ステーブルコインの利用を促進するものとして注目される。
マスターカードのステーブルコイン戦略は、仮想通貨投資、ウォレット機能、カード発行、加盟店での決済、そしてブロックチェーン上での送金といった幅広い領域をカバーしている。この包括的なアプローチにより、ステーブルコインのようなデジタル資産の日常利用が急速に広がる可能性が高まっている。
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