ジャスティン・サン氏関連企業が、ナスダック上場企業との逆さ合併で米国IPOを計画。新会社はTRXを大量保有する戦略を採用する。
ナスダック上場企業SRMエンターテインメントは16日、トロン(TRX)創設者のジャスティン・サン氏をアドバイザーに迎え、1億ドルの株式投資によるTRXトレジャリー戦略を公表した。
発表を受けてSRM株価は一時647%の急騰を記録し、合併後の新会社「Tron Inc.」としてTRX版ストラテジー戦略の実現に注目が集まっている。
合併後に誕生する新会社「Tron Inc.」は、ストラテジー社がビットコイン(BTC)で実践している財務戦略をTRXで模倣する計画だ。
プライベート投資家から調達した1億ドルの資金をTRXの購入と保有に充て、さらにトロン側からは2億1000万ドル相当の暗号資産(仮想通貨)資産を新会社に注入する。
SRMエンターテインメントは、シリーズB転換優先株式10万株と2億2000万株分のワラントを発行し、最大2億1000万ドル相当のTRXトークンを保有する。
この仕組みにより、従来の株式投資家も間接的にTRX市場にアクセスできるようになる。
この上場計画の背景には重要な政治的要因が存在する。SECは2025年初頭、サン氏とその企業に対する詐欺調査を一時停止した。
2023年3月にSECは未登録証券の提供・販売でサン氏を提訴していたが、トランプ政権下での仮想通貨に友好的な政策転換期待の中で調査が中断された。
市場環境も仮想通貨企業の株式公開に追い風となっている。
2025年6月にはステーブルコイン発行大手サークル社がニューヨーク証券取引所でIPOに成功し、株価が約300%急騰した実績がある。
この成功により、仮想通貨関連企業の株式公開に対する信頼が高まっている。
トロンは現在、時価総額265億ドルで仮想通貨ランキング9位に位置している。
DeFi分野ではイーサリアム(ETH)、ソラナ(SOL)に次ぐ3番手の規模まで成長し、預かり資産総額でも存在感を示している。
TRXは現在0.28ドルで取引されており、過去90日で19.31%上昇している。
今回の発表を受けて24時間の取引高は346.33%増加し、13億2000万ドルに達した。
米国上場により機関投資家からのアクセスが容易になることで、TRX価格への長期的な押し上げ効果が期待されている。
サン氏は、ガス代のかからないステーブルコイン・ソリューションの開発も進めており、トロンエコシステムの拡張によるブロックチェーン業界全体への影響も注目される。
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