金融庁は25日、仮想通貨の規制を資金決済法から金融商品取引法へ移行する審議を開始。ビットコインETFや税制改革の可能性。
日本の金融庁は25日、金融審議会総会で暗号資産(仮想通貨)の規制を現行の資金決済法から金融商品取引法へ移行する審議を開始した。
加藤勝信金融担当大臣からの検討要請を受けたもので、仮想通貨を株式や債券と同様の金融商品として位置づける制度転換に向けた動きが本格化した。
この審議により、現在最大55%の総合課税が適用されている仮想通貨の売却益が、株式と同様の20%申告分離課税へ変更される可能性が高まった。
今回の規制見直しの背景には、日本国内におけるビットコイン(BTC)市場の急速な成長がある。
2025年1月時点で国内の仮想通貨口座数は1200万件を突破し、保有総額は5兆円を超えている。
金融庁の柳瀬審議官は3月の講演で「決済手段よりも投資対象として普及している現状に合わせた規制の必要性」を指摘していた。
現行の資金決済法は主に決済手段としての側面を想定しており、投資商品としての複雑な金融取引に関する規定が不十分とされてきた。
出席した同志社大学法学部の川口恭弘教授は「暗号資産が抱える課題は伝統的に金商法で対処してきた問題と親和性がある。金商法の枠組みでの対応は妥当」と述べ、移行案を支持した。
金融庁が今年4月に公表したディスカッション・ペーパーに対するパブリックコメントでも「概ね方向性について賛同いただいている」と報告されており、業界からの理解も得られている状況だ。
金商法移行により、仮想通貨取引に未公表情報を利用したインサイダー取引規制が新たに導入される。
海外では既にコインベースの元社員による内部情報悪用事例や、バイナンス社員によるインサイダー取引が発覚しており、市場の公正性確保が急務となっている。
最も注目される変化は、国内での現物ビットコインETF解禁の可能性だ。
現在の資金決済法ではETFの組成が困難だったが、金商法の枠組みではデリバティブ取引のライセンスや厳格な監督体制が整備され、機関投資家や一般投資家のアクセス向上が期待される。
税制面では、現在の総合課税(最大55%)から申告分離課税(20%)への変更が有力視されている。
金融庁の担当者は税制改正を視野に入れる場合「報告書自体は11月末ごろには固めて、12月の税制改正大綱に載せていくことが必要」との見通しを示す。
新たな規制は2026年までに施行される見通しで、日本の新しい仮想通貨市場の制度的基盤が大きく変わる転換点となりそうだ。
リップル社とSECによる罰金減額と差し止め命令解除の共同要請が、裁判所により再び却下された。「公益」が理由とされている。
タイ政府は、デジタル資産ハブを目指し、2025年から5年間、SEC認可取引所での仮想通貨売却益に対する個人所得税を免除すると発表した。
ベトナム国会はデジタル資産を初めて法的に認める「デジタル技術産業法」を可決した。同法は2026年1月1日に施行される。
EU仮想通貨規制MiCAの下、ジェミニとコインベースがライセンス申請。マルタの迅速な承認が規制の不均衡を生むとの懸念も浮上している。