ビットコインETF投資が加速、アルトコインの波到来か｜分析

短期的な需要減速にもかかわらず、機関投資家のBTC需要は拡大の過程にあると専門家は指摘。アルトコイン市場に与える影響を解説する。

資産運用企業Saphira Groupのジェフ・ダイメント投資責任者は8日、機関投資家による暗号資産（仮想通貨）購入の勢いが衰えているとの見方は、全体像を見誤っていると指摘した。

同氏は、機関投資家の資金流入は直線的に増加するのではなく、波のように訪れることが多いと説明する。

例えば、マイケル・セイラー氏が率いるストラテジー社によるビットコイン（BTC）の購入量は、昨年12月の17万1000BTCから先月は1万6000BTCへと大幅に減少した。

しかし同氏によれば、これは衰退の兆候ではなく、彼が周期的な導入の波と呼ぶビットコインやアルトコインの自然な満ち引きに過ぎない。

企業のBTC保有は急増、アルトコイン市場も注視

ダイメント氏の分析を裏付けるように、企業によるビットコイン保有は着実に増加している。

2025年上半期だけで新たに51社がビットコインを財務資産に加えており、これは2018年から2022年までの合計に匹敵する。

企業のビットコイン購入額は前年同期比で375%増加し、上場企業が保有するビットコインは現在、総供給量の約4%にあたる84万8902BTCに達している。

2025年第2四半期だけでも、13万1000BTCが企業のバランスシートに追加された。

ビットコインETFの爆発的な成長も、機関投資家の参加が深まっている証拠だ。

資産運用企業のブラックロックが提供するIBITファンドは、史上最速で成長したETFだ。

現在、69万9000BTCを保有しており、世界最大のファンドとなっている。

米国で承認された現物ETFは、運用開始からわずか18ヶ月で合計約125万BTC、総供給量の約6%を確保した。

こうしたビットコインへの大規模な資金流入は、市場心理を改善させる。

結果として、長期的には主要なアルトコイン市場にも追い風となる。

オプション市場に見る強気の兆候

ダイメント氏の強気な見方は、オプション市場の動向とも一致している。

シンガポールを拠点とするQCP Capitalは最新のレポートで、大口投資家が上昇リスクへのエクスポージャーを構築し続けていると指摘した。

具体的には、9月を期限とする13万ドルのコールオプションや、11万5000ドルから14万ドルのコールスプレッドが積極的に購入されているという。

QCPは月曜日のレポートで、ボラティリティは歴史的に低い水準だと分析した。

しかし、11万ドルの抵抗線を突破すれば、再びボラティリティが上昇する可能性があるとしている。

短期的な現物市場の停滞や取引活動の鈍化を弱気のサインと見る向きもあるが、ダイメント氏はこれらを表面的な動きに過ぎないと一蹴する。

同氏は、水面下で機関投資家の需要が着実に高まっていると結論付けている。

ウォール街の巨大な資本が仮想通貨市場に流入する流れは、まだ始まったばかりだと指摘した。

次世代ビットコインL2、アルトコインBitcoin Hyper

この流れは、ビットコインの機能を拡張するレイヤー2技術にも及んでいる。

中でも注目されるのはBitcoin Hyper（HYPER）だ。

これは、ソラナ（SOL）技術を用いてビットコインの高速化を目指すアルトコインプロジェクトだ。

このアルトコインは、ビットコインの課題である取引速度の遅さ、高い手数料、スマートコントラクト非対応を解決するために開発された。

Bitcoin Hyperは、ホワイトペーパーによると、ビットコインエコシステム上で劇的な高速化と低コストでのスマートコントラクト実行を実現する。

これにより、DeFiやNFT、Web3ゲームなど、多様なdAppsをビットコイン上で利用可能になる。

現在、0.0122ドルのプレセール価格で提供されている。

アルトコインBitcoin Hyperは、透明性の高いトークノミクスと公平なプレセール設計が特徴で、仮想通貨投資家から大きな関心を集めている。

Bitcoin Hyper公式サイトを見る

葉月 友也

Cryptodnesライター。ブロックチェーン技術から最新のDeFi、NFTトレンドまで、専門知識を基に正確かつ魅力的な記事を執筆。初心者向け解説から専門家向けコラムまで幅広く対応。