Hyperliquidが5月に過去最高の取引高を達成。分散型取引所が中央集権型取引所の市場シェアを奪う動きが加速している。
分散型デリバティブ取引プラットフォームHyperliquidはこのほど、2025年5月における月間取引高が、過去最高の2480億ドル(約3兆5760億円)を記録した。
この数値は、4月の1875億ドルから月間で51.5%の増加となり、同プラットフォームの急速な成長を示している。
急激な伸びにより、Hyperliquidはバイナンスのパーペチュアル先物取引高に対するシェアを4月の9.76%から5月には10.54%まで拡大し、大手中央集権型取引所(CEX)の牙城に迫る勢いを見せている。
Hyperliquidの急成長を支える要因は多岐にわたる。最も重要な要素の一つは、中央集権型取引所と同等のユーザーエクスペリエンス(UX)を提供しながら、カストディアルリスクを軽減している点だ。
これにより、トレーダーは従来のCEXの利便性を享受しつつ、自己管理による資産の安全性も確保できる。
また、大きな話題となったのは成功したシーズン1エアドロップに続く「シーズン2ポイントキャンペーン」の実施だ。シーズン1では限定9万4000人のユーザーに平均4万5000ドルから5万ドル相当のHYPEトークンが配布され、これが新規ユーザーの流入と既存ユーザーのロイヤリティ向上に大きく貢献した。
さらに、高レバレッジ取引で注目を集めたトレーダーJames Wynnの事例も、プラットフォームの認知度向上に一役買った。同氏がビットコイン(BTC)の急落により1億ドルの損失を出したことは話題となったが、結果的にHyperliquidの取引機能と市場への影響力を示すことになった。
Hyperliquidの技術的な特徴も成長の重要な要因となっている。同プラットフォームは独自のLayer 1ブロックチェーン上で動作し、HyperBFTと呼ばれる独自のコンセンサスメカニズムを採用している。これにより、1秒未満での取引確定時間を実現し、完全にオンチェーンのオーダーブックを維持している。
5月には新たなパーペチュアル市場の開設や、HyperCoreのアップグレードにより決定論的実行保証を強化するなど、技術面での継続的な改善も行われている。
DEX市場全体で見ると、5月のDEXパーペチュアル先物取引高は世界全体の6.84%を占めており、2月の史上最高値7.06%に迫る水準を維持している。年初来では平均6.7%となっており、歴史的な水準を大きく上回る新たなベースラインを確立している。
Hyperliquidの日間パーペチュアル先物取引高は、一部の日でバイナンスの取引高の12%に達する場面もあり、その存在感は日々高まっている。
HYPEミームコインの価格も、プラットフォームの成長を反映して堅調に推移している。現在約36ドルで取引されており、5月には19.97ドルから25.4ドルのレンジで推移した後、さらなる上昇余地を示している。
今後の規制環境の変化や機関投資家の参入拡大を考慮すると、Hyperliquidのような分散型プラットフォームは2025年末までにデリバティブ取引市場でさらに大きなシェアを獲得する可能性が高い。
この動きは、新しい暗号資産(仮想通貨)市場全体の流動性向上と、金融サービスの分散化という長期的なトレンドを加速させることが期待される。
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