コインベースが株式のトークン化取引サービスの承認をSECに要請。ブロックチェーン技術で24時間取引や手数料削減を目指す。
米暗号資産(仮想通貨)取引所大手のコインベースは17日、トークン化された株式の取引サービス提供に向けて、米国証券取引委員会(SEC)に承認を求めていることを明らかにした。
この計画は、従来の株式をブロックチェーン技術を用いてデジタル化し、取引を可能にするものだ。
計画が実現すれば、仮想通貨市場のように24時間365日の取引や、より迅速な決済、そして仲介手数料の削減が期待される。
コインベースは、この新サービスによってロビンフッドやチャールズ・シュワブといった既存の大手証券プラットフォームと肩を並べることを目指している。
しかし、サービスを開始するには、SECから執行措置を取らないことを保証する「ノーアクションレター」か、一時的に規制を免除する「適用免除」のいずれかを取得する必要がある。
現在の米国の法律では、トークン化された株式の取引は認められておらず、SECの承認なしでは規制違反となる。
一方で、市場環境には変化の兆しもある。トランプ政権下でSECが大手仮想通貨取引所への執行措置を取りやめるなど、規制当局の姿勢が軟化しているとの見方があり、コインベースの申請にとって追い風となる可能性がある。
同社のポール・グレワル最高法務責任者は、SECによる明確な指針がないことが機関投資家の本格的な参入を妨げていると指摘。規制の明確化が急務であるとの考えを示した。
機関投資家は、SECの保証が得られるまで慎重な姿勢を崩していないが、トークン化がもたらす運用上のメリットは大きい。
ブロックチェーンの効率性を活用することで、個人投資家向けの市場に大きな変革をもたらす可能性がある。
市場競争も同社の動きを後押ししている。競合のクラーケンはすでに米国外で、トークン化株式商品「xStocks」を提供しており、同様のサービスに対する需要の高さを示している。
コインベースは、2018年に取得した休眠状態のブローカー・ディーラーライセンスを再稼働させ、この新サービスに活用することも考えられる。
米国市場でのサービス展開は、多くの仮想通貨取引所勢にとっても注目の的となっている。
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