ステーブルコイン発行大手Circle社の株価が上場後に急騰。規制明確化を追い風に時価総額は一時Coinbaseを超えた。
ステーブルコイン発行大手サークル社は23日、同社株価が一時299ドルまで急騰した。
6月5日のニューヨーク証券取引所上場時の公募価格31ドルから、わずか19日間で約864%の上昇を記録している。
この急騰により時価総額は一時的に大手暗号資産(仮想通貨)取引所コインベースの評価額を上回った。
株価急騰の大きな要因は、6月17日に米上院がステーブルコイン規制法案「GENIUS法案」を68対30で可決したことだ。
この法案は、ステーブルコインの発行体に対して流動資産による完全な担保や月次の情報開示、年次監査を義務付ける。
法案が成立すれば、ステーブルコインは米ドルや短期国債などの流動資産によって担保されることが義務化される。
サークル社CEOのジェレミー・アレール氏は「米上院がGENIUS法案を可決し、歴史が作られている」と興奮を表した。
サークル社は世界第2位のステーブルコインUSDCを発行している。
この規制明確化により、Circleの長年の法令遵守体制への信頼が高まり、機関投資家からの資金流入が加速している。
キャシー・ウッド氏率いるARK Investは、法案可決前後の6月16日から20日にかけてCRCL株を大量売却した。
この売却額は4470万ドルに達したが、株価はそれを押し切って上昇を続けた。
サークル株は週末にかけて約70%上昇し、6月第3週だけで約80%の上昇を記録した。
コインベース株も法案可決を受けて16%上昇しており、ステーブルコイン関連銘柄全体に買いが集まっている。
時価総額でコインベース超え
上場から2週間足らずでCircleの時価総額はS&P500企業の約半数を上回る規模となった。
これは投資家が一般的な仮想通貨取引所よりも、ステーブルコインに特化したインフラ事業を高く評価していることを示している。
サークル社のUSDCは流通総額約610億ドルを誇り、イーサリアム(ETH)をはじめとする複数のブロックチェーン上で発行されている。
その相互運用性の高さが、ボラティリティの高いビットコイン(BTC)などの取引において安全な避難先として重要な役割を果たしている。
現在の評価額には、USDCの普及拡大や規制環境の改善による将来の収益成長への強い期待が織り込まれている。
金融テクノロジー大手Fiservが、新ステーブルコイン「FIUSD」と関連プラットフォームを年内に発表。ソラナやサークル社と提携する。
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