ステーブルコイン発行大手サークルがリップルとコインベースから買収提案を受けたが、現金かXRPによる支払いを巡り交渉が難航。
USDコイン(USDC)を発行するサークル社は19日、リップルとCoinBase(コインベース)の2社から買収提案を受けていることが明らかになった。
サークルは2025年4月、米証券取引委員会(SEC)に株式公開(IPO)申請書を提出したが、世界的な経済不安定を受けて上場時期の見直しに動いていた。
この間、リップルはサークルに40億〜50億ドル(約5,800億〜7,250億円)相当の買収提案を行った。内容は現金とリップルの独自暗号資産(仮想通貨)であるリップル(XRP)を組み合わせたものだった。
しかし、サークル側はこの提案を拒否した。背景にはXRPの価格変動リスクや評価方法の不透明さがあった。
実際、XRPは2025年に入り年初来で367%も急騰し、5月時点で2.38ドル(約345円)を付けている。こうしたボラティリティ(価格変動性)が、買収額の実質的な価値を読みづらくしている。
リップルは直近で約110億ドル(約1兆5,950億円)分の流動性を持つXRPや、950億ドル(約13兆7,750億円)分のエスクローされたXRPを保有しているが、トークン主体の提案には市場関係者の懸念も根強い。
コインベースは約80億ドル(約1兆1,600億円)の現金準備を背景に、現金主体の買収交渉を進めている。
同社は2018年にサークルと共同でセンターコンソーシアムを設立し、USDCの立ち上げにも深く関わってきた経緯がある。既存の収益分配や知的財産権の共有など、両社の連携は強固だ。
コインベースのブライアン・アームストロングCEOは現時点で買収計画を明言していないものの、M&A(企業買収・合併)には引き続き前向きな姿勢を示している。
市場では、サークルが求める50億ドル(約7,250億円)以上の企業価値を現金で提示できるコインベースが交渉で優位との見方も出ている。
また、リップルは直近で1.25億ドル(約180億円)規模のHidden Road買収を実施するなど積極的な拡大を図っているが、サークル買収に関しては現金比率の高さが今後の鍵となりそうだ。
サークルはIPO方針を維持しているが、現時点で上場に向けた具体的な動きは公表されていない。
米国市場でもクラーナやスタブハブなど、大型上場案件の延期が相次ぐ中で、サークルとしては現状を見極めつつ柔軟な資本戦略を模索している。
一部アナリストは、リップルが今後さらに90億〜110億ドル(約1兆3,050億〜1兆5,950億円)規模の再提案を行う可能性も指摘している。
しかし、トークンを含むオファーへの不信感や現金需要から、交渉の行方は依然として不透明だ。
サークルを巡る買収攻防は、ステーブルコイン業界の主導権争いとして今後も注目される。なお、サークルのような企業買収の動きは、仮想通貨投資の観点からも市場関係者の関心を集めている。
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