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サークル買収交渉、リップルとコインベースの支払手段が焦点に

20.05.2025 10:36 1 分で読了 Hideaki Wakabayashi
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サークル買収交渉、リップルとコインベースの支払手段が焦点に

ステーブルコイン発行大手サークルがリップルとコインベースから買収提案を受けたが、現金かXRPによる支払いを巡り交渉が難航。

USDコイン(USDC)を発行するサークル社は19日、リップルとCoinBase(コインベース)の2社から買収提案を受けていることが明らかになった。

リップルのXRP提案に慎重な姿勢

サークルは2025年4月、米証券取引委員会(SEC)に株式公開(IPO)申請書を提出したが、世界的な経済不安定を受けて上場時期の見直しに動いていた。

この間、リップルはサークルに40億〜50億ドル(約5,800億〜7,250億円)相当の買収提案を行った。内容は現金とリップルの独自暗号資産(仮想通貨)であるリップル(XRP)を組み合わせたものだった。

しかし、サークル側はこの提案を拒否した。背景にはXRPの価格変動リスクや評価方法の不透明さがあった。

実際、XRPは2025年に入り年初来で367%も急騰し、5月時点で2.38ドル(約345円)を付けている。こうしたボラティリティ(価格変動性)が、買収額の実質的な価値を読みづらくしている。

リップルは直近で約110億ドル(約1兆5,950億円)分の流動性を持つXRPや、950億ドル(約13兆7,750億円)分のエスクローされたXRPを保有しているが、トークン主体の提案には市場関係者の懸念も根強い。

コインベースは現金重視で優位に

コインベースは約80億ドル(約1兆1,600億円)の現金準備を背景に、現金主体の買収交渉を進めている。

同社は2018年にサークルと共同でセンターコンソーシアムを設立し、USDCの立ち上げにも深く関わってきた経緯がある。既存の収益分配や知的財産権の共有など、両社の連携は強固だ。

コインベースのブライアン・アームストロングCEOは現時点で買収計画を明言していないものの、M&A(企業買収・合併)には引き続き前向きな姿勢を示している。

市場では、サークルが求める50億ドル(約7,250億円)以上の企業価値を現金で提示できるコインベースが交渉で優位との見方も出ている。

また、リップルは直近で1.25億ドル(約180億円)規模のHidden Road買収を実施するなど積極的な拡大を図っているが、サークル買収に関しては現金比率の高さが今後の鍵となりそうだ。

IPO延期と今後の見通し

サークルはIPO方針を維持しているが、現時点で上場に向けた具体的な動きは公表されていない。

米国市場でもクラーナやスタブハブなど、大型上場案件の延期が相次ぐ中で、サークルとしては現状を見極めつつ柔軟な資本戦略を模索している。

一部アナリストは、リップルが今後さらに90億〜110億ドル(約1兆3,050億〜1兆5,950億円)規模の再提案を行う可能性も指摘している。

しかし、トークンを含むオファーへの不信感や現金需要から、交渉の行方は依然として不透明だ。

サークルを巡る買収攻防は、ステーブルコイン業界の主導権争いとして今後も注目される。なお、サークルのような企業買収の動きは、仮想通貨投資の観点からも市場関係者の関心を集めている。

2021年に仮想通貨投資を始める。以降、同分野での専門的な知識を深めながら自身のブログ・ライターとしても活動。仮想通貨に関する深い理解を活かして複数のメディアで多くの記事を執筆。初心者に寄り添った簡潔な解説を得意とする。

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