ステーブルコイン発行大手サークル社が4日、ニューヨーク証券取引所に上場し、約1600億円を調達。時価総額は最大1兆1700億円に達した。
ステーブルコイン「USDC」発行大手のサークル(Circle Internet Group)は4日、ニューヨーク証券取引所(NYSE)に上場し、約1600億円を調達した。
同社とCEOのジェレミー・アライア氏を含む既存株主は、1株約31ドル(約4464円)で3400万株を売却し、約11億ドル(約1584億円)の利益を得た。
サークルは当初、2400万株を24~26ドルで売り出す予定だった。
しかし、投資家からの注文が発行予定株数の25倍を超える需要過多となったため、発行株数を3200万株に拡大し、価格帯も27~28ドルに引き上げた。
最終的な売り出し価格は31ドルとなり、当初予定を大きく上回る結果となった。
同社の時価総額は約69億ドル(約9936億円)、希薄化後ベースでは81億ドル(約1兆1664億円)に達する見込みだ。
サークルの売上高は2020年の1540万ドルから2024年には17億ドルまで急成長している。ただし、利益は昨年1億5570万ドル(約224億円)と前年から減少した。
今回の上場成功は、ステーブルコイン市場の急速な拡大と規制環境の改善が背景にある。
ビットコイン(BTC)が史上最高値を更新する中、米国での暗号資産(仮想通貨)規制明確化への期待が高まっている。
市場では、これに続いてイーサリアム(ETH)のような他の主要な仮想通貨の動向も注目されている。
また、業界イベント「Stablecon 2025」の開催時期と重なり、市場の注目度が高まった。
同時期には、大手取引所コインベースやリップル(XRP)がサークルの買収を検討していたとの報道もあったが、同社はIPOを優先した。
USDCの準備金収益とコインベースとの収益分配契約が、サークルの成長の柱となっている。
今回の上場は、分散型金融(DeFi)や国際送金の基盤インフラとしてのステーブルコインに対する投資家の信頼を示している。
リップルのクリス・ラーセン共同創業者が、約39億円相当のXRPをコインベースに移動。今年の送金額は累計1億XRPを超えている。
現実資産トークン化のOndo Financeが、高速L1ブロックチェーンSeiでUSDYファンドをローンチ。機関投資家の採用拡大に期待。
シンガポール上場企業BTCデジタルは、事業戦略をビットコインからイーサリアムへ転換する。ETHエコシステムでの資産構築を目指す。
フィンテック企業MFHが5億ドル規模のDeFiバスケット財務戦略を開始。初期段階ではソラナに重点を置き、資産の多様化と利回り獲得へ。