ステーブルコイン発行のサークル社は26日、コインベースやリップルとの買収協議に関する報道を否定し、IPO計画を継続すると表明。
ステーブルコイン発行大手のサークル社は26日、大手暗号資産(仮想通貨)取引所Coinbase(コインベース)やリップル社との買収協議に関する報道を否定した。
同社は「サークルは売却対象ではない。長期的な目標は変わらない」と声明を発表し、IPO計画の継続を改めて表明している。
米経済誌フォーチュンは5月19日、サークルがコインベースとリップルとの間で非公式な買収協議を行っていると報じていた。
報道によると、サークルは新規株式公開(IPO)と並行して、少なくとも50億ドル(約7150億円)の企業評価を求めているとされた。
関係者によると、リップルは今年4月に40億から50億ドル規模の買収提案を行ったが、サークルは評価額不十分として拒否した経緯がある。
その後、リップルは現金とリップル(XRP)を組み合わせた90億から110億ドル規模の新たな提案を検討しているとの報道も出ている。
買収協議報道について、カルダノ創設者のチャールズ・ホスキンソン氏は5月24日のAMAで独自の見解を示した。
同氏は「リップルによるサークル買収は業界にとって良いことだ」と述べ、「コインベースとa16zとサークルによるマフィア的なエコシステムが形成されており、その外部にいると完全にブラックリストに載せられる」と現状を批判した。
ホスキンソン氏は「XRPが参入することでその独占状態を打破し、より多様性を生み出す」と評価し、リップルの方がより誠実な管理者になるとの見方を示している。
これは新しい仮想通貨業界における競争構造の変化への期待を表している。
サークルは4月に米証券取引委員会(SEC)にIPO申請を行っており、50億ドルの企業評価を目標としている。同社は2022年に一度IPOを延期した後、2024年1月に公開計画を再開していた。
現在、仮想通貨業界では規制環境の改善を受けて企業統合の動きが活発化している。
リップルも今年、デジタル資産プライムブローカレッジのHidden Roadを12億5000万ドル(約1785億円)で買収するなど、積極的な事業拡大を図っている。
サークルの動向は、ステーブルコイン市場の再編に大きな影響を与える可能性がある。
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