アバランチは5月、アクティブアドレスが過去最高の195万件を記録。ゲーム導入やNFT取引が活性化を後押しした。
アバランチ(AVAX)ネットワークは5月、アクティブアドレス数が195万件に達し、過去最高を記録した。
この活況は、人気ブロックチェーンゲーム「メイプルストーリーUniverse」のリリースを背景に、非代替性トークン(NFT)取引やスマートコントラクトの活発化が後押しした格好だ。
また、暗号資産(仮想通貨)AVAXは、4月末から5月初旬にかけて21〜25%上昇。ネットワーク利用の増加や実需の広がりが投資家心理にも好影響を与えた格好だ。
アバランチ上の1日あたりの取引数は、5月15日に1,235万件と史上最高を更新。5月17日には、1日で64万8,000ものアクティブアドレスが記録され、月間のピークとなった。
この急増の主な要因とされるのが、「メイプルストーリーUniverse」のブロックチェーン統合だ。
同ゲームは、大手IPの「メイプルストーリー」を活用したブロックチェーン基盤のバーチャルワールド「MapleStory Universe」だ。
主力タイトル「MapleStory N」は、NFTを活用した大規模多人数同時参加型オンラインRPG(MMORPG)で、新しい仮想通貨NXPCが経済の中心を担う。
NXPCは取引手数料やNFTアイテムのトレード、ゲーム内通貨NESOの安定化に使用され、総供給量は10億トークン。プレイヤーはアイテムをNFT化し、リアル経済と連動した報酬を得られる。
現在、モバイル版や独自ゲーム作成プラットフォームも計画中で、コミュニティ主導の持続可能な経済構築を目指している。
同ゲームの開発元ネクソンは、2024年3月にアバランチと戦略的パートナーシップを締結。MapleStory Nを含むエコシステムを、アバランチの高速な取引処理とスケーラビリティを提供する「サブネット」技術で構築している。
同ゲームが正式リリースされたことで、アバランチ上でNFTの発行や交換、ゲーム内資産の売買などの取引が盛んになったかたちだ。
また、アバランチ上で稼働するスマートコントラクトの数の増加も見られる。この動きは、同ネットワーク上の分散型金融(DeFi)などのアプリケーション利用の活況が理由と考えられる。
一例として、米資産運用大手ブラックロックのトークン化された短期米国債ファンド「sBUIDL」が15日、アバランチブロックチェーン上のDeFi「Euler」で担保として採用。
sBUIDLは、約30億ドルの「BUIDL」ファンドをSecuritizeのsTokenフレームワークでERC-20トークンとして発行したものだ。
ユーザー(主に機関投資家)は、sBUIDLを担保にステーブルコインを借りることが可能となり、AVAX報酬も獲得できるようになった。
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