リップル急騰、3.6ドルの過去最高値更新｜今後の価格見通しは？

リップル（XRP）の価格は18日、過去最高値の3.60ドルを突破し劇的な上昇を見せた。

24時間で20％超の上昇を記録し、最高値3.61ドルに達したこの急騰は、複数の要因が絡み合う中で発生した。

本稿では、XRP価格の急激な変動を引き起こした主要因を、市場データと構造的変化の観点から分析する。

ETF承認で制度的受容が加速、市場心理も好転

ProShares Ultra XRP ETFがニューヨーク証券取引所でUXRPとして取引開始されることが決定し、XRPは伝統的金融市場での制度的受容の新たな段階に突入した。

カナダ・トロント証券取引所でもPurpose XRP ETFが開始され、米国・カナダ両市場でETF関連の関心が高まっている。

資産運用大手ブラックロックが現物XRP ETFに関心を示す報道も、市場にポジティブな影響を与えた。これにより機関投資家のアクセスが容易になり、市場流動性の向上が期待されている。

オンチェーンデータによると、7月18日のXRP取引量は2億枚を超え、急騰を支える強力な需要が発生。売り圧力を吸収しながら3.5ドルの節目を突破した。

SEC訴訟進展とデリバティブ市場の活況で信頼と取引量が拡大

リップル社は米SECとの訴訟において相互控訴を行わない決定を下し、法的リスクの軽減が図られた。

さらに同社の米国における銀行免許申請や資産管理会社BNY Mellonのドル準備金管理参入も市場の信頼を高めている。これらは現物XRP ETFの承認期待を後押しし、資金流入につながると見込まれている。

オンチェーン分析プラットフォームCoinglassのデータによると、XRP先物取引高が約40億ドルに達し、オープンインタレストは100億ドルを超えた。

大規模保有者の保有率は総供給の約10％に達し、6800万ドル以上のショートポジションが清算されるなど、機関投資家の強気姿勢が鮮明だ。

XRPの価格は過去30日間で約70％上昇し、主要アルトコインの中でも突出したパフォーマンスを示している。暗号資産（仮想通貨）市場の拡大と相まって、XRPの評価は今後も高まる可能性がある。

【7月18日最新】リップル（XRP）価格のテクニカル分析

2025年7月16日時点で、XRPは約3.6ドルまで急騰し過去最高値を更新した。

本稿では、週足および日足チャートのテクニカル指標を基に、XRPの中長期および短期の価格動向を分析し、今後の展望を提示する。

週足分析：中長期的な強気トレンドの持続性と調整リスク

出典：TradingView XRP/USD 週足（2023年～現在まで）

週足チャートを概観すると、XRPは明確な強気トレンドを維持している。2023年9月に20週移動平均線（MA）が100週MAを上抜けるゴールデンクロスが発生し、中長期的な上昇トレンドの開始を明確に示した。

このシグナルは、2024年11月から12月にかけての急激な価格上昇を先導し、XRPは約5.5倍の価格上昇を記録した。現在の3.6ドル水準は、100週MAから大きく乖離しており、市場の過熱感を示唆する。

この乖離は歴史的に調整局面への移行リスクを伴うが、仮想通貨市場全体がビットコインの史上最高値更新に牽引される形で強気なセンチメントを維持。

XRPの中長期的な上昇基調は依然として堅固である。

週足の相対力指数（RSI）は現在70付近に位置し、買われ過ぎゾーンに接近している。

この水準は、短期的には過熱感を反映するが、2024年の上昇相場では同様のRSI水準で数週間の高値圏推移が観察されたことから、即座の大幅な調整を予見するものではない。

中長期的な視点では、機関投資家の参入拡大や送金分野での採用進展がトレンドを支える要因となるが、100週MAへの回帰リスクは依然として潜在する。

日足分析：レンジブレイク後の短期的な上昇モメンタム

出典：TradingView XRP/USD 日足（2025年～現在まで）

日足チャートでは、2025年3月以降、XRPは1.8～2.5ドルのレンジ相場を形成していたが、7月初旬に20日MAが100日MAを上抜けるゴールデンクロスが発生し、短期的な上昇圧力が強まった。

このブレイクアウトにより、XRPは過去最高値の3.6ドル台に到達し、明確な上昇モメンタムを確立。取引量の急増が伴ったことで、3.5ドルの心理的節目を突破した。

日足のRSIは75を超え、買われ過ぎの領域に突入している。この状況は、短期的な過熱感を示し、価格の一時的な調整や横ばい推移の可能性を高める。

短期的な価格動向は、3.00ドル付近の支持線を維持できるかどうかに依存する。仮にこの水準を下抜けする場合、2.6ドル付近までの調整が想定される。

要点：XRP価格の今後の展望

• 中長期的な強気トレンドの持続：週足のゴールデンクロスと市場全体の強気センチメントを背景に、XRPは4.20～10ドルの中長期目標に向けた上昇余地を保持する。送金分野の採用拡大やETF承認がさらなる触媒となる。
• 短期的な調整リスク：日足RSIの買われ過ぎシグナルにより、3.00ドルの支持線を下回る短期調整（2.6ドル付近）が発生する可能性がある。
• 機関投資家の影響：ETFの展開や先物市場の活況により、機関投資家の関与が価格を支える主要因となる。3.00ドル付近のサポート維持が短期的な安定のカギとなる。
• 市場全体との連動性：ビットコインの動向やグローバル市場の時価総額4兆ドル超の環境が、XRPの強気トレンドを後押しする。

倉本 実花

CryptoDnesで専属ライターとして暗号資産領域の記事を執筆中。2020年に仮想通貨投資を開始し、ビットコインやNFT、DeFiなど多様な分野での投資経験を積む。2025年1月にCryptoDnesのチームに加わる。