スイ(SUI)の価格は16日、直近24時間で4.6%上昇し、現時点で3.88ドル付近で取引されている。
スイ価格変動の背景には、エコシステムの目覚ましい成長があり、長期的な強気見通しを裏付ける材料が揃っている。
暗号資産(仮想通貨)アナリストMichael Van de Poppe氏は、スイの総預かり資産(TVL)が過去1カ月で70%増の2.06億ドルに急上昇し、史上最高値に近づいている点を強調。
このTVLの急増は、仮想通貨投資家の信頼とエコシステムへの関与の高まりを反映している。
スイエコシステムの拡大を牽引する要因として、分散型ストレージのWalrusプロトコルの上場や、DEEPトークンの好調なパフォーマンスが挙げられる。
特にWalrusは、分散型クラウドコンピューティングの分野でAWSやGoogle Cloudに対抗するWeb3ソリューションとして注目を集め、スイのユーティリティ向上に大きく寄与している。
DEEPトークンは過去1カ月でスイエコシステム内のトップパフォーマーとして浮上し、市場の関心を一層集めている。
加えて、オンチェーンアナリストTorero Romero氏によると、スイの総アカウント数は1900万を超え、わずか30日間で35.24%増加。
初回トランザクションを完了するユーザーの急増は、ネットワークの採用が加速している証左であり、将来的な価格上昇を支える強固な基盤となり得る。
スイの価格動向は、ファンダメンタルズの強さだけでなく、市場全体のセンチメントにも影響を受けている。
Michael Van de Poppe氏は、ビットコイン(BTC)やアルトコイン市場が金融環境の緩和や中国の人民元動向に連動する傾向を指摘する。
特に、人民元の上昇はアルトコイン市場の強気相場を後押しする可能性があり、スイの価格にもポジティブな影響を与え得る。
一方で、ビットコインの動向は引き続き注視が必要である。ビットコインが下落基調に転じた場合、アルトコイン市場全体に下押し圧力がかかる可能性がある。
スイが現在の価格帯を維持し、さらなる上昇を目指すには、ビットコインの安定も重要な外部要因となる。
スイの価格は3.88ドル付近で取引されており、重要なテクニカル水準での攻防が続いている。
週足および日足チャートの分析を通じて、スイの今後の価格動向を予測し、最後に相場の展望を要点としてまとめる。
出典:TradingView SUI/USD 週足 (2024年~現在まで)
週足チャートは、スイの中期的なトレンド転換の可能性を示している。
2024年9月、スイは20週移動平均線を明確に上抜け、これが上昇トレンドの起点となった。
米大統領選という外部要因が追い風となり、11月には5.3ドルの高値まで急伸した。
しかし、12月以降の強い売り圧力により、年明けには上昇幅の半値以下に急落し、4月まで低迷が続いた。
直近の動向では、4月の安値圏からの反発により、価格は3.8ドル付近まで回復し、20週移動平均線上の3.3ドルを再び上回った。
この回復は、中期的な下落トレンドからの転換を示唆する重要なシグナルである。
20週移動平均線を維持できれば、4台ドルへの回復が視野に入り、さらなる底固めが成功した場合、心理的抵抗線である5ドルへの挑戦も現実的となる。
一方、20週移動平均線を下抜ける展開となれば、2024年12月の安値圏である2.2〜2.3ドルへの再下落リスクが浮上する。
この水準は、過去のサポートゾーンとして機能した経緯があり、強力な買い支えが期待される。
出典:TradingView SUI/USD 日足 (2024年~現在まで)
日足チャートでは、短期的なトレンド転換の兆しが顕著に現れている。
2025年2月初旬、20日移動平均線が100日移動平均線を下抜けるデッドクロスが発生し、短期的な下降トレンドが形成された。
しかし、4月の安値1.7ドルからの急反発により、100日移動平均線(現在約2.85ドル)をブレイクし、短期トレンドの転換を示す動きが見られた。
直近では、20日移動平均線水準である3.7ドル付近で反発し、上昇モメンタムを維持する展開となっている。
この3.7ドルゾーンでの根固めが成功し、4.3ドル付近のレジスタンスを明確に突破できれば、心理的節目である5ドルが次のターゲットとなる。
逆に、3.7ドルのサポートを下抜ける場合、100日移動平均線(約2.85ドル)を試す下落リスクが生じる。