ソラナ、前日比4.5％急騰｜SECによるETF承認期待が背景に

ソラナ（SOL）の価格は10日、前日比で4.5％上昇し164ドルに到達した。

この価格動向は、米国証券取引委員会（SEC）がソラナ上場投資信託（ETF）のS-1申請書類の再提出を複数の発行者に求めたとの報道を受けたものだ。

SECのソラナETF申請再提出要請が市場を刺激

SECは、ソラナETFを申請中の資産運用会社に対し、S-1登録書類を今週中に再提出するよう指示した。

主な修正点は、現物引き換えの文言調整と、ETFにおける仮想通貨ステーキングの取り扱いに関する明確化である。

SECがステーキングをソラナETFに認める可能性を示唆したことは、市場にとって重要なシグナルだ。

これは、SECのゲンスラー前議長時代にイーサリアムETFのステーキング関連文言が削除された方針とは対照的である。

再提出された書類は今後30日以内にSECの審査を受け、早ければ3～5週間以内にソラナETFが承認される可能性があると報じられている。

VanEck、21Shares、Grayscale、Bitwise、Canary Capital、Franklin Templeton、Fidelityなどの大手資産運用会社がソラナETFを申請中であり、CoinSharesもデラウェア州でソラナETFを登録し、近日中のS-1申請が予想される。

市場への影響と今後の展望

金融テクノロジー企業ブルームバーグのETFアナリスト、エリック・バルチュナス氏はXへの投稿で、「ソラナが主導するアルトコインETFの夏が到来する可能性がある」と述べ、SEC承認確率を90％と評価。

また、同社の別のアナリスト、ジェームズ・セイファート氏も、早ければ6月末から7月初旬に承認される可能性があると指摘している。

ソラナETFの承認期待は、機関投資家の参入を促進しソラナの流動性と価格安定性を高める可能性がある。

ステーキングの導入は、投資家にとって追加の収益機会を提供し、ソラナエコシステムへの信頼をさらに強めるだろう。

ただし、SECの最終決定や市場全体のマクロ経済環境が今後の価格動向に影響を与えるため、投資家は引き続き注視する必要がある。

【6月11日最新】ソラナ（SOL）価格のテクニカル分析

ソラナ（SOL）の価格は、2024年11月以降の仮想通貨市場全体の動向に影響を受けつつ、独自のテクニカル要因により特徴的な動きを見せている。

以下、週足および日足チャートの分析を通じて、SOLの今後の価格動向を予測する。

週足分析：市場トレンドと長期サポートの攻防

出典：TradingView SOL/USD 週足（2023年～現在まで）

週足チャートを概観するとソラナは2024年11月からのビットコイン主導の強気相場に牽引され、一時的な価格上昇を記録した。

しかし、2025年1月以降、市場全体の弱気転換に伴い下落トレンドを形成。価格は100週移動平均線（現在約130ドル）を一時下抜けたが、3月下旬にこの水準がサポートとして機能し、反発に転じた。

直近では、20週移動平均線を上抜け、短期的な強気モメンタムを示している。

この動きは、市場全体の弱気圧力に対するSOLのレジリエンスを浮き彫りにする。

100週移動平均線（130ドル付近）は、過去のデータでもサポートとして機能した実績があり、仮に再び下落した場合でも、この水準での反発可能性は高い。

ただし、市場全体のマクロ環境やビットコインの動向がソラナの長期トレンドに影響を与えるため、引き続き注視が必要である。

日足分析：短期トレンドの転換と強気シグナルの台頭

出典：TradingView SOL/USD 日足（2024年～現在まで）

日足チャートでは、2月上旬に20日移動平均線（現在約163ドル）が100日移動平均線（約145ドル）を下抜けるデッドクロスが発生し、売り圧力が強まった。

4月初旬には価格が96ドルまで下落したが、この水準での強い反発を背景に回復基調へ転換。

直近では、20日移動平均線と100日移動平均線のゴールデンクロスが形成され、短期的な上昇トレンドの確立が示唆されている。

このゴールデンクロスは、買い勢力の復活と市場センチメントの改善を反映する強いシグナルである。

先週、価格は100日移動平均線（145ドル付近）まで下落したが、サポートが機能し、現在は直近高値である187ドルを再び試す展開となっている。

相対力指数（RSI）は中立線を上回り、強気モメンタムの継続を示唆しているため、上昇圧力の持続が期待される。

ソラナ（SOL）相場の要点

• 短期的な上昇余地：日足チャートのゴールデンクロスと強気指標の回復を背景に、ソラナは直近高値187ドルを再び試す可能性が高い。突破に成功すれば、200ドル台への到達も視野に入る。
• 長期サポートの堅牢性：週足の100週移動平均線（130ドル）は、過去に複数回サポートとして機能しており、下落局面での反発基点として信頼性が高い。
• 市場全体との連動性：ビットコインや主要アルトコインの動向がソラナのトレンドに影響を与えるため、マクロ環境の変動に注意が必要。
• リスク要因：187ドル抵抗線の突破に失敗した場合、145ドル（100日移動平均線）や130ドル（100週移動平均線）への下落リスクが残る。

Mika Kuramoto

CryptoDnesで専属ライターとして暗号資産領域の記事を執筆中。2020年に仮想通貨投資を開始し、ビットコインやNFT、DeFiなど多様な分野での投資経験を積む。2025年1月にCryptoDnesのチームに加わる。