ソラナ145ドル台に回復｜FiservのFIUSD導入が価格上昇後押し

ソラナ（SOL）の価格は26日、過去3日間で15%上昇し145ドル台を推移している。この価格変動は単なる短期的な反発ではなく、ソラナのエコシステムに対する機関投資家や企業の信頼感の高まりを反映している。

FiservのFIUSDステーブルコイン導入が火付け役

決済業界大手Fiservが、ソラナブロックチェーン上でステーブルコインFIUSDのローンチを発表したことは、今回の価格上昇の最大の触媒とみられる。

このステーブルコインは、1万以上の銀行と600万の加盟店をターゲットとしており、ソラナのスケーラビリティと高速処理能力に対する明確な支持を示している。

さらに、USDCの発行元サークル社との提携により、ソラナのデジタル決済インフラとしての実用性が一層強化された。

このニュースは、ソラナが企業向けソリューションとして選ばれる信頼性の高いプラットフォームであることを市場に印象づけ、投資家の買い意欲を刺激した。

市場ダイナミクスの好転

ソラナの価格上昇を支える市場の動向も見逃せない。シカゴ・マーカンタイル取引所におけるソラナ先物の取引高は、1日で175万コントラクトという記録を更新し、オープンインタレストは61億4000万ドルに急増した。

これは、トレーダーがソラナの価格変動と上昇余地に積極的に賭けていることを示している。一方、市場参加者の心理状態を数値化した恐怖と欲望指数は48と中立を維持しており、ビットコイン（BTC）の値動きに左右されず、アルトコイン単独で上昇しやすい市場環境が続いている。

こうした状況は、ソラナが独自のファンダメンタルズに基づいて価格を上昇させる余地を示唆している。

周辺プロジェクトの影響

ソラナエコシステム内の新興プロジェクトも、価格上昇を間接的に後押ししている。

Pepeto（PEPETO）は、ミームコインのゼロ手数料上場やソラナを含むマルチチェーン対応ブリッジを特徴とする取引所デモを公開し、注目を集めている。

530万ドル超のプレセール調達や大手仮想通貨取引所への上場期待も相まって、ソラナのネットワーク利用拡大への関心を高めている。

また、Wall Street Ponke（WPONKE）は、アンチホエールAIツールや教育リソースを通じてトレーダー向けエコシステムを構築中。こうしたプロジェクトの活発化は、ソラナのブロックチェーン活用を後押しする要因となっている。

【6月26日最新】ソラナ（SOL）価格のテクニカル分析

ソラナは、2024年11月以降の仮想通貨市場の変動に影響を受けつつ、独自のテクニカル要因により個別の価格推移を示している。

以下では、週足および日足チャートの分析を通じて、ソラナの今後の価格動向を予測する。

週足分析：長期サポートと市場トレンドの攻防

出典：TradingView SOL/USD 週足（2023年～現在まで）

週足チャートを概観すると、ソラナは2024年11月以降、ビットコイン主導の強気相場に支えられ、顕著な上昇トレンドを形成した。しかし、2025年1月以降、市場全体の弱気転換に伴い、ソラナも下落局面を迎えた。

100週移動平均線を一時下抜けたが、3月下旬にこの水準が強固なサポートとして機能し、反発に転じた。このサポートゾーンは過去の市場サイクルにおいても繰り返し買い支えの役割を果たしており、長期投資家の信頼が集まる重要な価格帯である。

直近の動向では、20週移動平均線を5週にわたり明確に突破できず、市場全体の弱気圧力が続いていることを示唆している。

週足レベルの直近高値である約187ドルを明確に上抜けない限り、長期的なトレンド転換の確度は低いままとなる。

日足分析：短期トレンドの反転と抵抗線の試練

出典：TradingView SOL/USD 日足（2025年～現在まで）

日足チャートでは、2025年2月上旬に20日移動平均線が100日移動平均線を下抜けるデッドクロスが発生し、売り圧力が強まった。4月初旬には価格が96ドルまで急落したが、この水準での強力な買い戻しにより反発基調に転換した。

直近では、20日移動平均線と100日移動平均線のゴールデンクロスが形成され、短期的な強気トレンドの確立を示唆している。このクロスは、買い勢力の復活と市場センチメントの改善を反映する重要なテクニカルシグナルである。

しかし、価格は5月の高値187ドルから約22%下落し144ドル台まで後退。現在100日移動平均線直下で攻防が続いている。値動きは高値切り下げと安値更新のパターンを示しており、売り圧力が優勢な環境が続いている。

RSI（相対力指数）は現在50付近で推移し、過熱感や過度な売られすぎ感がない中立的な水準にある。この状況は、短期的な方向感が定まっていないことを示唆している。

ソラナ相場の今後の展望

• 長期サポートの堅牢性：100週移動平均線が引き続き強固なサポートとして機能するが、20週移動平均線を明確に突破できない場合、弱気圧力が継続する可能性が高い。
• 短期トレンドの好転：日足でのゴールデンクロス形成は短期的な買い勢力の復活を示すが、187ドルの抵抗線突破がなければ上値は限定される。
• 市場全体との連動性：ビットコインや市場全体の動向がソラナの価格に影響を与える中、独自のエコシステム成長（例：FiservのFIUSD導入）が上値余地を支える。
• テクニカルシグナルの均衡：RSIの中立水準は方向感の欠如を示し、187ドル突破または96ドル割れが次の大きな価格変動のトリガーとなる。

Mika Kuramoto

CryptoDnesで専属ライターとして暗号資産領域の記事を執筆中。2020年に仮想通貨投資を開始し、ビットコインやNFT、DeFiなど多様な分野での投資経験を積む。2025年1月にCryptoDnesのチームに加わる。