リップル(XRP)の価格は21日、過去24時間で0.2%、過去7日間で10.8%の下落を記録し、およそ2.34ドルで推移している。
取引量は現物市場で26.7億ドル(前日比15.9%減)、デリバティブ市場ではフューチャーズ取引量が42.4億ドル(同28.45%減)と大きく縮小した。
オープンインタレストも45.8億ドル(同3.14%減)に低下し、暗号資産(仮想通貨)市場参加者の慎重な姿勢が浮き彫りとなっている。
5月20日、米国証券取引委員会(SEC)は、21Shares Core XRP Trustの現物上場投資信託(ETF)に関する審査期間の延長を発表した。
SECは、取引所法第6条(b)(5)に定める詐欺や市場操作防止の基準を満たしているか評価するため、さらなる分析と公開コメントを求めている。
この延期は仮想通貨市場の不透明感を増幅させ、投資家の慎重な動きを誘発した
大手メディアブルームバーグのETFアナリスト、ジェームズ・セイファート氏は5月20日のX投稿で、リップルやソラナ(SOL)のスポット現物の早期承認は早くても6月末から7月初旬、実際には第4四半期初頭が現実的と指摘している。
SECのETF審査延期により、リップル市場は現在、様子見の状態にある。規制面の不確実性が解消されない限り、短期的な価格変動は限定的となり、仮想通貨投資家の慎重な姿勢が続く可能性が高い。
一方で、長期的な上昇トレンドは依然として健在であり、規制動向や市場センチメントの改善が価格回復の契機となる可能性がある。
リップル(XRP)の価格動向は、2025年5月21日時点で様子見ムードが漂い、横ばいで推移している。ここからは、週足および日足チャートのテクニカル指標を精査し、中長期および短期の動向を予測する。
出典:TradingView XRP/USD 週足 (2023年~現在まで)
週足チャートを俯瞰すると、リップル価格の中長期的なトレンドは強気基調を維持している。
2023年9月に20週移動平均線(MA)が100週MAを上抜けるゴールデンクロスが発生し、中長期の上昇トレンドの開始を明確に示した。
このシグナルは2024年11月から12月にかけての急騰を予兆し、ビットコイン主導の強気相場と共鳴する形でXRP価格は約5.5倍に急上昇した。
現在の価格水準は2.35ドル(2025年5月21日時点)であり、100週MA(約1.0ドル)からの乖離が顕著に拡大している。
この乖離は市場の過熱感を反映し、歴史的パターンに基づけば、調整局面での100週MAへの回帰リスクが潜む。
ただし、足元の価格は20週MA(約2.4ドル)近辺での攻防にあり、この水準を週足の実体で明確に上抜け、終値で確定した場合、強気トレンドの継続が確認される。
次のターゲットは3.00ドル、さらには過去最高値の3.40ドルが視野に入る。
一方、20週MAを下抜ける場合、2.0ドル付近のサポートゾーンが試される可能性が高まる。
ボリュームの動向も重要であり、現在の取引量減少傾向が反転し、出来高を伴った上昇が確認されれば、強気シナリオの信頼性が増す。
出典:TradingView XRP/USD 日足 (2024年~現在まで)
日足チャートでは、5月中旬に20日MAと100日MAのゴールデンクロスが発生し、短期的な上昇トレンドの開始を示唆している。
現在の価格は2.30~2.35ドルのサポートゾーンで推移しており、この水準での根固めが進行中である。
相対力指数(RSI)は52と中立圏にあり、過熱感がなく、短期的な買い圧力の余地を示している。
次の焦点は2.60ドルのレジスタンスラインであり、この水準を日足の実体でブレイクした場合、買い圧力が加速し、3.00ドルへの上昇が現実味を帯びる。
一方、2.30ドルのサポートを下抜けた場合、2.10ドル付近の次なるサポートが試されるリスクが生じる。
現在の市場動向では、SECによる21Shares XRP ETFの審査延期(5月20日発表)が不透明感を強めており、短期的な価格変動に影響を及ぼしている。
ただし、テクニカル指標は短期的な強気バイアスを維持しており、サポートゾーンの防衛とボリュームの回復が当面の鍵となる。