ライトコイン、24時間で13%急騰｜SECのETF延期を乗り越え

ライトコイン（LTC）の価格は7日、過去24時間で主要暗号資産（仮想通貨）の中で最大の値上がり率（13.2%）を記録し、92ドル台へ到達した。

この急騰は、米証券取引委員会（SEC）がカナリー・キャピタルによるライトコインETFの承認を延期したというネガティブなニュースにもかかわらず発生した。

ライトコイン価格上昇の主要因

ライトコインの価格は、6日にビットコイン（BTC）の急騰に連動する形で顕著な上昇を見せた。

ビットコインが9.7万ドル付近で主要なレジスタンスを突破したことで、市場全体のセンチメントが改善し、アルトコインであるライトコインにも買い圧力が波及した。

CoinMarketCapによると、ライトコインの24時間取引高は5億6651万ドルに達し、前日比41.03%増を記録。

この高い取引高は、仮想通貨投資家の関心と市場の流動性が高まったことを示している。

一方、SECが5月5日にカナリー・キャピタルのライトコインETFの承認判断を延期し、6月17日まで審査期間を延長したことは、短期的な売り圧力を誘発する可能性があった。

しかし、市場参加者はこの延期を織り込み済みと捉えた。

ブルームバーグのETFアナリスト、ジェームズ・セイファート氏が指摘する「ライトコインETFは2025年末までに90%の承認確率」という楽観的な見方を背景に、価格は下落せず上昇に転じた。

ライトコイン市場環境と今後の展望

ライトコインの価格動向は、SECのETF承認プロセスだけでなく、仮想通貨市場全体のマクロ環境にも影響を受ける。

トランプ政権下での規制緩和への期待や、新SEC議長ポール・アトキンス氏のデジタル資産イノベーションへの支持が、市場のポジティブなセンチメントを後押ししている。

また、ライトコインの6.6億ドルの市場規模と、ビットコインに次ぐ「デジタルシルバー」としての地位は、機関投資家の関心を集めつつある。

【5月7日最新】ライトコイン（LTC）価格のテクニカル分析

出典：TradingView LTC/USD 週足 (2024年～現在まで)

ライトコイン（LTC）は2024年の強気相場で顕著な上昇を記録したが、2025年に入り調整局面が続いている。

週足チャートは、ライトコインの長期トレンドを把握する上で重要な手がかりを提供する。

2024年11月に20週移動平均線が100週移動平均線を上抜けるゴールデンクロスが形成され、長期的な強気相場の開始を示唆した。

このシグナルを受け、価格は急騰し、12月に147ドルのピークを記録。

しかし、高値圏での強い売り圧力により価格は急落し、100週移動平均線（現在約82ドル）を下抜けた。

2025年4月上旬には63ドルまで下落し、2024年の上昇幅をほぼ解消する展開となった。

直近の動向では、価格は90ドル台へ回復しているが、20週移動平均線（約100ドル）を明確に上抜けられていない。

このレジスタンスラインは、中長期的なトレンドの転換点として機能する可能性が高い。

63ドル付近の安値は強力なサポートとして作用しており、底値形成の兆候が見られる。

出来高は下落局面で増加傾向にあり、市場参加者の関心が依然として高いことを示している。

ただし、100ドルを突破できない場合、売り圧力の再燃が懸念され、63ドル付近への再下落リスクが残る。

逆に、100ドルを明確に突破すれば、147ドル付近の高値再挑戦が視野に入る。

出典：TradingView LTC/USD 日足 (2024年～現在まで)

日足チャートは、短期的な価格動向とトレンド転換のタイミングを詳細に捉える。

2025年3月上旬に20日移動平均線が100日移動平均線を下抜けるデッドクロスが形成され、短期的な売りトレンドが鮮明となった。

3月下旬に記録した96.5ドルの高値は重要なレジスタンスとして機能しており、現在の価格はこの水準を下回る推移が続いている。

このレジスタンスの突破が、短期的な上昇トレンドの再開に不可欠である。

直近の価格は92ドル台で推移し、100日移動平均線（約98ドル）に接近している。

3月高値の96.5ドルのレジスタンスを突破できれば、98ドルへの挑戦が現実的なターゲットとなる。

一方、80ドルを下抜ける場合、63ドル付近のサポートが再び試される可能性が高い。

出来高は下落局面で増加しており、価格変動に対する市場の反応が活発であることを示す。

短期的な上昇には、96.5ドル突破に加え、出来高のさらなる増加が伴う必要がある。

ライトコイン（LTC）相場の要点

• 100ドル突破が鍵：週足の20週移動平均線（約100ドル）は中長期トレンドの分岐点。突破に成功すれば147ドルへの再上昇が視野に入るが、失敗した場合、63ドルへの下落リスクが高まる。
• 短期レジスタンスに注目：日足チャートの96.5ドルは直近の重要なレジスタンス。突破できれば100日移動平均線（98ドル）への上昇が期待されるが、80ドル割れは短期的な弱気シグナルとなる。
• 出来高の動向：下落局面での出来高増加は市場関心の高さを反映。レジスタンス突破には出来高のさらなる増加が必要。
• サポートの堅牢性：63ドル付近のサポートは2025年4月の安値で確認済み。短期的な底値形成の可能性を示すが、再下落時にはこの水準の維持が重要。