ドージコイン、一時11%急落｜マスク氏のDOGE終了宣言が影響

ドージコイン（DOGE）は6日、前日比で一時11.4%の大幅下落を記録し、0.19台ドルから0.17ドル台へと急落した。

この価格変動は、暗号資産（仮想通貨）市場全体に広がるリスクオフのセンチメントを背景に発生している。

特に、ドナルド・トランプ大統領とイーロンマスク氏の対立が市場に不透明感をもたらし、DOGEの価格に顕著な影響を与えた。

米政府効率化局の活動終了が引き金に

ドージコインの急落は、イーロンマスク氏が長年支持してきた非政府組織「政府効率化局（DOGE）」の活動終了を発表したことに端を発する。

この発表は、ドージコイン価格をしばしば押し上げてきた投機的要因の喪失を意味し、市場参加者の間に失望感を広げた。

さらに、イーロンマスク氏とトランプ氏の経済政策やその他の問題を巡る公開対立が、投資家のリスク回避姿勢を一層強める結果となった。

両者の対立は、ミームコイン部門を筆頭として仮想通貨市場全体のセンチメント悪化を助長し、DOGEを含むリスク資産への圧力を増幅させた。

加えて、グローバルな貿易摩擦の激化が市場の不確実性を高めており、仮想通貨を含むリスク資産全般に対する売り圧力を強めている。

こうした環境下で、ドージコインは強い売り圧力に見舞われ、取引量が通常の約5倍となる10億ユニット超を記録した。

この急激な取引量の増加は、個人投資家の狼狽売りというよりも、機関投資家によるポジション整理を示唆している。

ドージコインの今後の展望

DOGEの価格動向は、短期的には市場全体のセンチメントに大きく左右される。

機関投資家のポジション再構築や、予想される金融政策の変化を背景に、投資家の信頼回復が不可欠である。

マスク氏の今後の発言や、トランプ氏との対立の進展が、DOGEの投機的魅力を左右する可能性が高い。

また、グローバルな貿易摩擦の動向が仮想通貨を含むリスク資産全体に与える影響も注視する必要がある。

市場参加者は、引き続き高いボラティリティに備える必要がある。

【6月6日最新】ドージコイン（DOGE）価格のテクニカル分析

ドージコイン（DOGE）の価格動向は、2025年に入ってからはテクニカルな節目での攻防が続く。

以下、週足および日足チャートの分析を通じて、今後の価格動向を予測する。

週足分析：長期トレンドの調整とサポートゾーン

出典：TradingView DOGE/USD 週足 (2023年～現在まで)

2024年のドージコイン（DOGE）の週足チャートは、顕著な強気相場を反映していた。

2月に20週移動平均線が100週移動平均線を上抜けるゴールデンクロスが発生し、長期的な上昇トレンドの開始を示唆した。

このシグナルは、ビットコインETFの承認や米国大統領選挙といった市場全体の好材料と連動し、価格を12月の高値0.48ドルまで押し上げた。

しかし、2025年に入り、上昇幅の調整局面が鮮明化している。直近の週足では、20週移動平均線を明確に突破できず下落が加速。

価格は100週移動平均線（0.15ドル）付近へと収束する動きを見せている。

この100週移動平均線は、過去にも反発ゾーンとして機能した実績があり、長期的なサポートとして注目される。

現在の調整局面が100週移動平均線で根固めを終え、上昇トレンドに回帰する可能性は依然として残るが、明確な買いシグナルが欠如する中、慎重な見方が求められる。

日足分析：短期的な反発とレジスタンスの攻防

出典：TradingView DOGE/USD 日足 (2024年～現在まで)

日足チャートでは、2025年2月初旬に20日移動平均線が100日移動平均線を下抜けるデッドクロスが発生し、短期的な下降トレンドが明確化した。

このシグナル以降、高値と安値を切り下げる展開が続き、価格は一時0.14ドルを下回る水準まで下落した。

その後、買い戻しの動きが強まり、100日移動平均線を上抜け、一時0.25ドル台まで急騰する場面も見られた。

しかし、この反発は持続せず、価格は再び下落に転じ、0.17ドル台へと後退している。

現時点での主要なサポートゾーンは、100週移動平均線と重なる0.15ドル台、および3～4月の安値圏である0.13～0.14ドル台である。

一方、0.19ドル台は直近のレジスタンスとして機能しており、短期的な価格動向はこのゾーンでの攻防に左右される可能性が高い。

直近の取引量は平均を上回る水準で推移しており、機関投資家のポジション調整が続いていることを示唆する。

ドージコイン（DOGE）相場の要点

• 長期サポートの堅牢性：100週移動平均線（0.15ドル台）は過去にも反発ゾーンとして機能しており、現在の調整局面での下値支持として注目。明確な買い圧力の出現が反発の鍵となる。
• 短期的なレジスタンス突破の難易度：0.19ドル台のレジスタンスゾーンを明確に上抜けるには、市場全体のセンチメント改善と強い買いシグナルが必要。現時点では上値が重い展開が続く。
• ボラティリティの継続：グローバルな貿易摩擦やマスク氏・トランプ氏の対立が市場の不確実性を高めており、DOGEは高いボラティリティに直面。0.13～0.14ドル台への下落リスクも排除できない。
• 市場センチメントの影響：マスク氏の発言や外部要因による投機的動きが価格を大きく左右する可能性。投資家の信頼回復が短期的な上昇トレンド再開の前提条件となる。

Mika Kuramoto

CryptoDnesで専属ライターとして暗号資産領域の記事を執筆中。2020年に仮想通貨投資を開始し、ビットコインやNFT、DeFiなど多様な分野での投資経験を積む。2025年1月にCryptoDnesのチームに加わる。